2008年5月8日木曜日

チベット亡命政府の要請:ダライ・ラマ特使が声明を発表

中国の胡錦濤・国家主席と日本の福田首相が
昨日、共同声明を発表した。

そこでの合意事項を見る限り
報道でもいわれているが、懸案事項については
先送りされていると考えるのが妥当だ。

懸案事項の一つである東シナ海ガス田開発については
進展の「メド」が立ったというが
そもそも温家宝首相が来日したときにも安倍前首相との間で
共同開発の具体的方策をまとめることで一致していたはず。
この当時は、温首相側から局長級協議の立ち上げも
明言されていたが
今回、胡主席とのやり取りで
これ以上に、何か進展のある「メド」が立ったとでもいうのか?

チベット問題については、対話の継続を求めているが
胡主席側の言い分は、「諸悪の根源はあくまでダライ・ラマ」とする
根幹部分の認識が変わっていない。
表向きにそう発言することで、中国側が負わなければならない
人権状況改善のために果たすべき責任を
回避しているだけかもしれないが
ダライ・ラマは暴力行為の拒絶と北京五輪の成功を
一貫して訴えているのだから
胡主席の言い分を信じるのは中国人くらいのものだろう。
胡主席のような言い分は、国際社会に
中国側のマイナスイメージを植え付けるだけで
むしろ逆効果であることを
福田首相は教えてあげてもよかったのではないか?

またチベットの状況については
その実態を明確にする第三者的調査の受け入れくらい
胡主席に要請してもよかったのではないか?

パンダがどうとか、貸与金を払ってまで中国の
ビジネスに乗っかって、胡主席の顔を立てまくって
無駄に友好ムードを演出し過ぎなところが萎える。

チベット亡命政府と中国政府の代理人が
会談したことについて、BBCの報道より。

China 'ready to engage on Tibet'
中国が「チベット問題への関与の構え」を見せる


Story from BBC NEWS
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/south_asia/7389277.stm
Published: 2008/05/08 05:33:56 GMT
© BBC MMVIII

Beijing has shown willingness to seek common ground with exiled Tibetans but major differences remain on key issues, an envoy of the Dalai Lama says.
中国政府は亡命チベット人と共通の認識を共有しようとする意思を見せたが、重要な懸案事項については依然、見解に大きな隔たりがあるとダライ・ラマの特使は語る。


Two aides of the exiled Tibetan spiritual leader travelled to Beijing last week to discuss recent violence.
チベット仏教の精神的指導者、ダライ・ラマの特使2人は先週、北京を訪ね、チベットで起きた暴動について議論した。

Lodi Gyari, a spokesman for the Dalai Lama, said China was asked to release Tibetan prisoners and end its "patriotic re-education" drive there.
ダライ・ラマの特使の一人であるロディ・ギャリ氏は、中国側にチベット人の囚人の解放とチベットで見られる「愛国的再教育」の動きを止めるよう要請したと述べた。

A date for further talks would be formalised soon, he said.
次回の対話の日程については近くに正式に発表されるという。

'Concrete proposals'
「具体的な提案」


"We have called for the release of prisoners, to allow those injured to be given proper medical treatment and give unfettered access to visitors, including the media," Mr Gyari said in a statement issued in the northern Indian hill town of Dharamsala, home of the Tibetan government-in-exile.
亡命チベット政府の拠点があるインド北部のダラムサラで、ギャリ特使は声明を発表し、「我々は囚人の解放と負傷者への適切な治療、メディアを含む訪問者への(チベットでの)自由なアクセスの保証を要請した」と述べた。

"We have also called for an end to the "patriotic re-education" campaign which is deeply resented by the Tibetan people," he said.
ギャリ特使はまた、「チベット人が憤慨している『愛国的再教育』運動もやめるよう求めた」と語った。

Each side exchanged "concrete proposals which can be part of a future agenda", the statement said.
ギャリ特使が発表した声明によると、「双方が『将来の検討議題となり得る具体的な提案』をめぐり意見を交換した」という。

"Despite major differences on important issues, both sides demonstrated a willingness to seek common approaches in addressing the issues at hand," Mr Gyari said.
ギャリ特使は「重要な懸案事項については見解の隔たりは大きいが、双方が近い将来、問題に取り組む上での共通のアプローチを探ろうとしていた」と説明する。

The two envoys travelled to China for talks last weekend in what was the first contact between the two sides since anti-China protests in Tibet in March turned violent.
ダライ・ラマの特使2人は先週末、中国側との対話のため北京を訪問した。3月にチベットで中国に対する抗議運動が暴動へと発展してから、チベット亡命政府と中国政府が初の協議を持った。

Beijing has blamed the Dalai Lama for masterminding the protests, a charge the spiritual leader has always denied.
中国政府はダライ・ラマが暴動を扇動していると非難しているが、ダライ・ラマはその言い分を否定している。

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