2008年4月28日月曜日

中国のナショナリズムの淵源

26日に長野で聖火リレーが行われました。
ロンドンやパリのような激しい抗議運動なんて
ないだろうと思っていたら予想以上の大騒ぎとなった。

在日中国大使館の音頭で
大量の中国人留学生が動員されたことに辟易。

一方で、チベット問題への抗議運動について
日本のメディアがあまりにも
きちんと報道しないことにも驚く。

そして、日本の聖火ランナーの
人権感覚の希薄さときたら、もう泣きたくなるほど。
平和の五輪とか一方では言いつつ
日本の聖火ランナーのコメントはことごとく
「個人的なカタルシスが得られたかどうか」
にしか関心がなさそうに見えるスケールの小さいもの。
「長野市民とハイタッチして走りたかった」とか
北京五輪が孕む問題をよそ目に、そんなヘラヘラした
聖火リレーを世界にさらそうものなら日本の恥というものだ。

ケニアの環境保護活動家で
ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんは
人権の大切さを訴えることの方が重要だとして
聖火リレーへの参加を辞退した。

日本はどういう価値観を大切にしている国なのよ。
正直、不明じゃね?強いて言うなら金儲けか?

少なくとも日本の聖火ランナーの姿を見ていて
日本にはリチャード・ギアは出てこないだろうと寂しく思った。

IOCにも責任は大いにある。
IOCの前サマランチ会長は
オリンピックの理念を重視せず
むしろ商業主義を前面に押し出してきた張本人だし
今のジャック・ロゲ会長にしたってサマランチの後継者だ。

オリンピック憲章からも明らかなように
オリンピックと人権は不可分の関係にある。
「オリンピックは政治に利用されてはならない」という詭弁で
その原理から目を背けさせようとする人たちって何なのって思う。

で、日本→韓国ときて、次の聖火リレー開催地は北朝鮮って…。
もう中国がとことん嫌いになりそうですよ。

と、こういう感情論をひとまず排して
再度盛り上がりを見せている中国のナショナリズムについて
ちょっと冷静に考えてみたいと思います。

米国のシンクタンク、外交評議会による分析を訳してみました。

中国人のナショナリズムの淵源に根を下ろす
帝国主義の猛威の歴史の記憶。

欧米諸国が描くチベットが
ジェームズ・ヒルトンの「失われた地平線」に出てくる
シャングリラである一方で、
中国にとってのチベットは近代化の対象でしかないこと。
そしてその中国の近代化志向が
西欧諸国の姿勢にダブル・スタンダードを見出していること。

ダライ・ラマ14世の努力は報われるのだろうか?
そして彼の理想は実現するのだろうか?

中国の国民性は想像以上に根に持つそれだ。
ダライ・ラマが「過去の話はするな」と言いたくもなるはずだ。
和解の道は「赦し」から始まる。
ダライ・ラマは「赦し」の精神をとうの昔から備えているが
中国にはその精神を理解できないように思える。

訳してみてちょっと面白かったのは
中国人が米国大使館のウエブにサイバー攻撃を仕掛けて
ホームページに落書きしたときの言葉。

‘Down with the Barbarians!’ って(爆笑)

これ、ジョージ・オーウェルの「1984年」の中に出てくる
“Down With Big Brother!”のパクリじゃん!

なかなか洒落たことをすると少し感心してしまった。

Nationalism in China
中国のナショナリズム


Author: Jayshree Bajoria, Staff Writer

Introduction
序論


With China hosting its first-ever Olympics, the country has seen a surge in national pride. But Chinese are angry at what they see as the West trying to spoil their party. In March, anti-government protests in Tibet followed by human rights’ demonstrations during the international leg of the Olympic torch relay sparked a sharp response from Chinese both at home and abroad.
オリンピックの初の主催地となった中国は、国家の威信発揚に躍起になっている。一方で、中国人は怒っている。彼らの目には、西欧諸国が彼らの晴れ舞台を台無しにしようとしているように映っているからである。3月に起きたチベットでの中国政府に対する抗議運動に引き続き、人権擁護デモが聖火リレーを行っている各地で盛り上がっている。このことに対して、中国人は国内外で過剰反応しているのである。

Their anger has taken the form of public demonstrations, newspaper editorials, online petitions, and other Internet activism. Olympic protests in Paris during the torch relay have drawn particular ire in China and have led to calls for a boycott of French goods.
中国人の怒りは、デモや中国各紙の論調、オンライン上での抗議などの形となって現れている。パリでの聖火リレーの最中に見られた抗議は特に中国からの怒りを買い、フランス製商品のボイコットへとつながっていった。

Flaring nationalism is not new. It has been set off in instances such as the accidental bombing of a Chinese embassy in 1999 during the Kosovo War and a 2001 incident in which a U.S. surveillance aircraft collided with a Chinese fighter jet off China’s coast.
中国でのナショナリズムの高揚は、何も新しいことではない。1999年のコソボ紛争で中国大使館がNATO軍に誤爆されたときや、2001年に米軍の偵察機が中国の戦闘機と衝突したときも、中国でナショナリズムが燃え上がった。

But experts say this time the public outrage appears to be more genuine, instigated by perceived unfair treatment by the West rather than stoked by the Communist Party. This change could pose challenges not only for the West coming to terms with a rising China, but also for China’s government trying to maintain peace and stability within its borders.
しかし、専門家によると、今回の中国側の怒りは本物だという。それは、中国共産党が焚き付けたものというよりも、西欧諸国に不当な扱いを受けているとの認識に基づく怒りであるためだ。この変化は、西欧諸国にとっては中国の勃興という言葉では片づかない、また中国政府にとっては国内の平和と安定の維持というだけにはとどまらない難題を突き付けている。

A Pillar of Legitimacy
正統性の支え


China’s nationalism today is shaped by its pride in its history as well as its century of humiliation at the hands of the West and Japan. China expert Peter Hays Gries writes: “Chinese nationalists today find pride in stories about the superiority of China’s ‘5000 years’ of ‘glorious civilization.’”
今日の中国のナショナリズムは、自国の歴史への誇りと、西欧諸国と日本から受けた陵辱の経験が土台となっている。中国の専門家であるピーター・ヘイズ・グライエス氏は「今日の中国のナショナリストたちは、中国『5000年』の『栄光ある文明』の優越性を語る物語の中から誇りを見出している」と指摘する。

This yearning for lost glory is accompanied by the story of victimization in the past, a narrative central to what being Chinese today means, says Gries. China perceives itself as a victim of Western imperialism that began with the First Opium War and the British acquisition of Hong Kong in 1842 and lasted until the end of World War II in 1945, during which it suffered humiliating losses of sovereignty.
この失われた栄光へのあこがれは、過去の犠牲者としての歴史ー現代の中国人であることを意味する中核となる物語ーと不可分であるとグライエス氏は述べる。中国は、自国を西欧の帝国主義の犠牲者であると認識している。1842年に第一次アヘン戦争が勃発し、英国が香港を植民地化した。そうした状況は第二次世界大戦が終結した1945年まで続き、その間、中国は主権を失った屈辱に苦しめられてきた。

“Chinese nationalism was actually partly a creation of Western imperialism,” says Minxin Pei, a senior associate in the China program at the Carnegie Endowment for International Peace. Pei says the first surge of Chinese nationalism was seen in 1919 in what’s now widely referred to as the May 4th Movement when thousands of students demonstrated against the Treaty of Versailles’ transfer of Chinese territory to Japan.
カーネギー国際平和財団のシニア・アソシエイトであるミンシン・ペイ氏は「中国のナショナリズムが生まれた背景の一つに、西欧の帝国主義があることは確かだ」と指摘する。ペイ氏によると、中国のナショナリズムの高揚が始めてみられたのは1919年で、五四運動として現在、広く知られている出来事がそれに当たるという。五四運動では、数千人もの学生たちが、中国領土の日本への委譲を求めるベルサイユ条約に反対するデモを行った。

Some of these student leaders went on to form the Chinese Communist Party two years later in 1921. “The current Chinese communist government is more a product of nationalism than a product of ideology like Marxism and Communism,” says Liu Kang, a professor of Chinese cultural studies at Duke University. Kang says today nationalism has probably “become the most powerful legitimating ideology.”
五四運動でデモを行った学生集団のリーダーが、2年後の1921年に中国共産党を発足させることになる。デューク大学で中国文化研究を教えるリュウ・カン教授は「現在の中国共産党政府は、マルキシズムやコミュニズムのようなイデオロギーの産物というよりも、ナショナリズムの産物であるといえる」と指摘する。カン教授によると、今日の中国ではナショナリズムが「最も影響力のある正統なイデオロギーとなったのではないか」という。

After the collapse of the Soviet Union, the opening up of the Chinese economy by Deng Xiaoping in 1978, and the pro-democracy protests of 1989, nationalism was once again revived by the Chinese Communist Party (CCP), say experts. Gries writes: “Lacking the procedural legitimacy accorded to democratically elected governments and facing the collapse of communist ideology, the CCP is increasingly dependent upon its nationalist credentials to rule.” As the International Herald Tribune noted in an April 2008 editorial, stripped of Maoism as its guiding light, the CCP frequently has fallen back on nationalism as societal glue.
ソ連崩壊後、1978年から鄧小平が進めていた中国の市場開放は進展し、1989年には天安門で民主化を求める抗議運動が起こった。ここで中国共産党によりナショナリズムの再生が行われたと専門家は指摘する。グライエス氏は「政府を民主的に選出するという手続的正統性の欠如と、コミュニストのイデオロギー崩壊という事態により、中国共産党支配はナショナリストとしての信頼性に支えられるようになった」と述べている。2008年4月のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙の社説で指摘されていたように、中国共産党は統治の手引きであった毛沢東思想から脱却し、社会的結束の基盤としてナショナリズムに頼るようになったのである。

Beyond the party’s control, the emergence of the Internet in the last two decades has given nationalists more power to vent their anger after particular incidents. It has also brought the huge Chinese diaspora in places like Indonesia, the Philippines, Malaysia, Europe, and North America, into closer contact with those residing within China’s borders, facilitating an easy flow of information.
中国共産党支配を超えて、ここ20年におけるインターネットの普及により、中国のナショナリストたちは、ある出来事があればそれに対する怒りを発散しネット上で発散し、影響力を強めている。また、ネットを通じて中国国内にいる人たちとの情報のやり取りがしやすくなったことで、ナショナリストの影響力がインドネシアやフィリピン、マレーシア、ヨーロッパ、北アメリカなどに在住する中国人にも及ぶようになった。

“It makes it much easier for the nationalistic rhetoric,” says Pei. He says the young, urban, and educated Chinese are more nationalistic and they are the ones using the Internet. “Compared to before, the Internet has democratized opinion but this democratization of opinion is not evenly distributed and the fringe elements tend to exploit this new opportunity far more actively than the mainstream,” Pei says.
ペイ教授は「ネットはナショナリストたちのレトリックの普及を容易にさせている」と語る。ペイ教授によると、都市部に住む高等教育を受けた中国の青年ほど、ナショナリスティックな考え方を持ちやすく、インターネットを活用しているのは彼らなのだという。ペイ教授は「かつてに比べ、インターネット上には民主的な考えがあふれるようになったが、この民主的な考え方が中国人に等しく行き渡っているわけではない。ネット上の主流とはいえない情報が悪用され、主流な情報として活用されてしまっている」と指摘する。

Anti-West Sentiment
反西欧感情


On May 8, 1999, a U.S. plane accidentally bombed the Chinese embassy in Belgrade mistaking it for a Serbian arms depot, killing three Chinese and injuring several others. Protests erupted around China. The Chinese government called it a “gross encroachment upon China ’s sovereignty,” demanded an apology from the U.S. government, and asserted: “The great People’s Republic of China was not to be bullied.”
1998年5月8日、米軍の戦闘機がセルビアの武器庫と勘違いし、ベルグレードにある中国大使館を誤爆した。3人の中国人が死亡。けが人も出た。この誤爆事件を受け、中国で抗議の声が噴出した。中国政府は「中国の主権の重大な侵害である」と主張し、米政府に謝罪を求めるとともに、「偉大な中国人民共和国をいじめるな」と主張した。

Chinese nationalism was also active on the Internet at the time. In his book China’s New Nationalism, Gries writes: “deluged by e-mail from China, the White House Web site in Washington, D.C. was temporarily shut down” and “cyber-nationalists also hacked into the U.S. embassy’s website in Beijing, inserting ‘Down with the Barbarians!’ on the homepage.”
このとき、中国のナショナリズムはインターネット上でも盛り上がっていた。グライエス氏は、著書「中国の新ナショナリズム」の中で、「中国からeメールが殺到し、米政府のホームページは一時的に停止した」ことに加え、「北京にある米大使館のウェブサイトをハッキングし、『野蛮人を打ち倒せ!』との言葉をホームページに挿入した」と書いている。

In April 2001, a U.S. EP-3 surveillance plane, in what China says was a violation of its airspace, collided with a Chinese F-8 jet fighter, killing the Chinese pilot. Chinese authorities took the crew of the U.S. spy plane into custody after it made an emergency landing in China and said it would only be released after Washington issued a formal apology. The crew was eventually released after U.S. expressions of remorse over the loss of the pilot and aircraft. Experts say China's government stoked nationalism during the incident.
2001年4月、米国のEP3偵察機ー中国が言うには領空侵犯をしていたというーが、中国のF8ジェット戦闘機と衝突し、中国人のパイロットが死亡した。中国当局は、中国に緊急着陸した米国偵察機の乗組員を捕らえ、米政府から公式に謝罪があるまで拘束した。最終的に、米政府が深い反省の意を示したのを持って拘束されていた乗組員は解放された。この事故が起きた際、中国政府はナショナリズムを煽っていたと専門家は指摘する。

These incidents are not seen as isolated incidents in the Chinese view. Experts say the Chinese see them as the latest in the long series of Western aggressions against China. Pei says the Chinese feel very strongly about issues such as sovereignty and integrity of their territory because “they still have the historical memory of Western imperialism.” And so the current protests in support of Tibet in the West, the coverage of the issue in the Western media, and linking the Olympics to the Tibet issue rouses anti-West sentiment in China.
中国はこれらの出来事を別個のものとして捉えていない。専門家によると、中国は上で挙げた出来事を、中国に対する欧米からの長年の侵略行為の最近の例として解釈しているのである。ペイ教授は、中国は自国の主権と領土保全にかかわる問題には極めて敏感に反応すると語る。なぜなら「中国人は今も、西欧諸国の帝国主義の歴史を記憶している」からだという。だからこそ、今の西欧諸国によるチベットの支持と抗議や西欧諸国メディアによるチベット問題をめぐる報道、さらにオリンピックとチベット問題を結び付ける動きは、中国における反欧米感情を目覚めさせることになるのである。

On the Tibet issue, Kenneth G. Lieberthal, a professor at the University of Michigan, says the Western view is shaped by a notion of Shangri-La while the Chinese views are shaped by the assumption that Tibetans are backward, feudal, superstitious, and badly in need of modernization—Chinese style. “So I think they regard it as bizarre that the advanced industrial countries would humiliate them by boycotting the opening ceremonies of the Olympics over the Tibet issue,” he says, “as America would find it if President Hu Jintao suddenly refused to visit the United States because of our history of treatment of Native Americans.” Lieberthal says the Chinese see these anti-Olympic protests as an indication that regardless of how much China strives to become a constructive player in the world, “many in the West will never accept that, [and] will seek to humiliate them.”
ミシガン大学のケネス・リバーサル教授は、欧米諸国の見方では、チベットはシャングリラである一方、中国の見方では、チベットは遅れた、封建的で、迷信深い土地なのであると説明する。従って中国は、チベットを近代化させる必要が大いにあると考える。リバーサル教授は「中国からすると近代化された先進国がチベット問題をめぐりオリンピックの開会式への参加を拒絶し、中国を辱めるという行為が奇妙に見えるのだろうと思う。仮に胡錦濤・国家主席が突如、先住アメリカ人への処遇を理由に訪米を取り止めたら、米国人もおかしいと思うだろうと中国人は感じているのだ」と語る。リバーサル教授によると、いかに中国が世界で建設的な役割を果たしていようとも、「西欧諸国の多くはその事実を認めず、むしろその事実を貶めようとしている」と中国は考えており、北京オリンピックに対する抗議もそういうものとして認識しているのだという。

Conflict with Japan
日本との対立


Tensions between the two countries date to the 1894-1895 Sino-Japanese War, and more recently Japan’s abusive conduct during the 1931-1945 occupation of China.
日中間の緊張は、1894年から95年の日中戦争と、1931年から1945年に日本が中国を占領し、乱暴な行為に及んだことで高まった。

As this Backgrounder points out these animosities surface in recurring cycles, often involving Chinese anger over Japan’s perceived lack of contrition for wartime crimes. Instances of recent Chinese nationalism against Japan include outcries over the annual pilgrimages of former Japanese Prime Minister Junichiro Koizumi to a Tokyo shrine that contains the remains of convicted war criminals from World War II and outrage over a 2005 Japanese history textbook that has been criticized as soft-pedaling Japanese wartime atrocities. The 2005 textbook incident led to riots against Japanese businesses in cities across China.
日中間の対立の背景について詳述した論文で指摘されているように、過去の憎しみが再度表面化するのは、戦時の犯罪行為に対する日本の遺憾の念が感じられないことに中国が怒ったときである。中国のナショナリズムが日本に対して高揚した最近の例としては、小泉前首相の靖国参拝に対する批判や、2005年に日本の歴史教科書で扱われている日本の戦時の残虐行為についての表現の緩和に対する非難の声が高まり、中国に進出した日本企業に対する暴動に発展したことなどがある。

Edward Friedman, an expert on Chinese nationalism at the University of Wisconsin, says when Deng Xiaoping came to power in 1977, “anti-Japan nationalism became a great legitimating glue to hold the society together, eventually ending up in the really ugly April 2005 anti-Japan racist riots in China.” But under the administration of Hu Jintao, China has sought better relations with Japan.
中国のナショナリズムを専門とするウイスコンシン大学のエドワード・フリードマン教授によると、1977年に鄧小平が権力の座に就いたときは、「反日ナショナリズムが社会の結束を強める正統な根拠とまり、最終的には2005年4月の中国で起きた、あの見苦しい反日暴動となった」という。しかし、胡錦濤が国家主席となると、中国は日本との関係改善の道を模索し始めた。

Experts say outbreaks of virulent nationalism can become a problem for the Communist Party. Fareed Zakaria, editor of Newsweek International writes, “in the past they have stoked anti-Japanese and anti-American outbursts, only to panic that things were getting out of control and then reverse course.”
専門家は、敵意に満ちたナショナリズムの高揚は、中国共産党にとって悩みの種でもあると指摘する。ニューズウィーク・インターナショナル誌の編集者であるファリード・ザカリア氏は「かつて反米・反日感情を焚き付けて起こした暴動は結局、統制が効かなくなり、路線を転換せざるを得なくなった」と書いている。

Unwarranted Focus?
中国のナショナリズムをめぐる定まらない焦点


Lieberthal says since the 1989 Tiananmen massacre, China is regularly blamed for abuses on a wide range of issues. “I think that it is not only nationalism in China that gets more attention. It is almost everything in China that gets more attention,” especially if they are negative. He says Chinese nationalism is a “natural outgrowth of (China’s) recent accomplishments and very unhappy narratives.”
リバーサル教授によると、1989年のチベットでの虐殺以来、中国はチベット問題が広く悪用されることに対して定期的に非難してきた。リバーサル教授は、特に中国が後ろ向きな姿勢を見せている場合は、「中国でのナショナリズムだけが注目されているのではなく、中国でのすべてのことに注目が集まっているということだ」と指摘する。リバーサル教授は、中国のナショナリズムについて、「中国が近年成し遂げてきた業績とこれまで体験してきた不幸な出来事から自然に生成されてきたものである」と解説する。

From the Western perspective, Pei says fears regarding Chinese nationalism spring from the negative feelings toward the communist regime. “Somehow they believe the political system in China is not legitimate,” he says.
一方、ペイ教授は、西欧諸国の視点からすると、中国のナショナリズムをめぐる不安は、共産主義体制に対する否定的な感情に基づくものであると指摘する。ペイ教授は「西欧諸国は中国の政治システムが正統なものではないと感じている」と述べる。

Lieberthal says nationalistic protests are a combination of genuine popular outrage and government manipulations to let that protest grow, which often helps the Chinese government’s bargaining position as that incident is negotiated with the offending party.
また、リバーサル教授は、中国のナショナリスティックな抗議は、純粋に大衆の怒りが表現されているものと、中国政府が焚き付けて盛り上げているものが混同していると指摘する。中国政府の工作で行われている抗議の場合、中国政府は法律に違反した行為に及んだ当事者との交渉人としての立場も併せ持つという。

A Double-Edged Sword
諸刃の剣


Beijing’s top priority today is to maintain peace at home while pursuing its development goals and a greater role in global affairs. Experts say while nationalism may be an effective tool for the Chinese regime to maintain control at home, it can harm its claim of “peaceful rise” globally.
中国政府の最優先事項は、自国の発展と国際社会における役割を拡大させつつ、国内の安定を維持することである。専門家は、中国の体制維持を国内で確保するにはナショナリズムを利用することが有効かもしれないが、それはまた、中国の宣伝文句となっている国際社会における「平和的台頭」の妨げにもなり得ると指摘する。

Pei says nationalism is certainly an obstacle in China’s image as a responsible stakeholder. “A very nationalistic public makes foreigners very wary of China and harms China’s image,” he says. Domestically, too, excessive nationalism poses problems for the authoritarian government.
ペイ教授は、ナショナリズムが中国の責任ある利害関係者としてのイメージを傷付けていることは確かであると述べる。ペイ教授は「中国のナショナリズムがあまりにも公になると、外国人は中国を警戒し、結果として中国のイメージを損なうことになる」と語る。国内的にも、過度なナショナリズムの高揚は、独裁的な政府にとって深刻な問題となる。

The government takes great care to suppress ethnic nationalism among its minorities such as Tibetans and Uighurs who are denied the right to establish separate states. Nationalism in Taiwan, too, is seen as a threat by Beijing, which hopes to unite with the island someday.
中国政府は、独立を否定されているチベットやウイグルの少数派の民族主義を抑え付けることに余念がない。いつかは中国の一部として統合しようとしている台湾でのナショナリズムの高揚も、中国政府にとっては脅威である。

The Chinese leaders also fear nationalism could turn against them in the form of criticism if they failed to deliver on their nationalistic promises. New York Times columnist Nicholas D. Kristof writes: “All this makes nationalism a particularly interesting force in China, given its potential not just for conferring legitimacy on the government but also for taking it away.”
中国の指導者層は、ナショナリスティックな約束を果たせなかった場合、国内でのナショナリズムの高揚による怒りが、自分たちに向けられた批判へと形を変えることも恐れている。ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストであるニコラス・クリストフ氏はこう綴る。「中国において、ナショナリズムは特に興味深い影響力を持つ。ナショナリズムは単に中国政府の正統性を支える潜在的な力となり得るだけではなく、逆に政府から正統性を剥奪することもあり得るのである」と。

2008年4月25日金曜日

食糧価格の高騰

アセアンさんのブログ(http://aseanlethualook.spaces.live.com/)で
以前、こちらで取り上げた「食糧危機に対するニューディール」についての
記事に触れていただきました。
http://aseanlethualook.spaces.live.com/blog/cns!121141892351AD6C!1389.entry

BBCの記事では、世銀が何を考えているのかについて
具体的な部分がいまいち分からないので
再度、世銀の政策を見てみたいと思います。
世銀のプレスリリースをひとまず訳してみましたが
レポートの本文の方も紹介してみようと思っています。
レポート本文は長いのでおいおい…ということになりますが。

ゼーリック世銀総裁が提唱した「食糧危機に対するニューディール」の
コンセプトは、従来の食糧支援策が飢餓と栄養失調のみに
焦点を置いていたのを
エネルギー政策や対気候変動政策とも絡めた
多元的なものにするということのようです。

アセアンさんのブログでも指摘されていますが
食糧危機や気候変動といった問題は
最終的には人間の生活スタイルの根源的な変化が
求められてこなければならないのでしょうが
世銀の政策がそれをどの程度視野に入れているのかについては
不明であるという印象です。

Rising Food Prices Threaten Poverty Reduction
食糧価格の高騰、貧困削減の妨げに


© 2008 The World Bank Group, All Rights Reserved.

WASHINGTON, April 9, 2008 – High food prices are threatening recent gains in overcoming poverty and malnutrition, and are likely to persist over the medium term, says a new World Bank Group policy note released today.
2008年4月9日 ワシントン:食糧価格の高騰は中期に渡り継続する恐れがあり、貧困と栄養失調を克服していくための近年の努力が無駄になろうとしている--。世界銀行は今日、グローバルな新政策についての覚書を発表し、こうした見解を明らかにした。

“Poor people are suffering daily from the impact of high food prices, especially in urban areas and in low income countries,” said World Bank Group President Robert B. Zoellick. “In some countries, hard-won gains in overcoming poverty may now be reversed. As an international community we must rally not only to offer immediate support, but to help countries identify actions and policies to reduce the impact on the world’s most vulnerable.”
ロバート・ぜーリック世銀事務総長は「特に都心や低所得国で生活する貧しい人たちが、食糧価格の高騰による影響に苦しんでいる」と強調した上で、「いくつかの国が貧困を克服するため奮闘してきたが、今やそうした努力が無駄になるかもしれない。国際社会は再度協調する必要がある。緊急支援を展開するだけでなく、各国が世界で最も脆弱な地域への悪影響を減らしていくための行動と政策を明確にできるようにさせなければならない」と述べた。

According to Rising Food Prices: Policy Options and World Bank Response, increases in global wheat prices reached 181 percent over the 36 months leading up to February 2008, and overall global food prices increased by 83 percent. Food crop prices are expected to remain high in 2008 and 2009 and then begin to decline, but they are likely to remain well above the 2004 levels through 2015 for most food crops.
「食糧価格の高騰:政策の選択肢と世界銀行の対応」と題した報告書によると、世界的な小麦の価格高騰は今年2月まで36カ月間続き、今や高騰率は181%に達した。食糧総体としての世界的な価格高騰は、83%増大している。農作物の価格は、2008~2009年の間高騰し続けた後、減少し始める見込みだが、全ての農作物で、2004年の時点よりも高い価格が、2015年までずっと維持されるだろう」としている。

As the policy note points out, while households that are net producers may benefit from higher prices, price increases for staple foods will increase poverty in several countries. Indeed, for many countries and regions where progress in reducing poverty has been difficult, the impact of rising food prices risks undermining the poverty gains of the last 5 to 10 years, at least in the short term. For example, in the case of Yemen, estimates show that the doubling of wheat prices over the last year could reverse all gains in poverty reduction achieved between 1998 and 2005.
新政策の覚書では、価格の高騰で利益を得る純生産者がいる一方、食糧の価格が高くなるにつれ、いくつかの国で貧困が増える点というが指摘されている。実際、多くの国や地域で貧困削減に向けた前進が見られない困難な状況に直面している。食糧価格の高騰が原因で、ここ5~10年の短期間で、貧困が増大したと考えられる。例えば、イエメンの場合、過去1年間に渡って小麦価格が倍増した結果、1998~2005年までに達成した貧困削減に向けた努力による成果がすべて無駄になってしまったという。

“The poor are not just facing higher food prices but also higher energy costs, which is a worrying combination,” said Danny Leipziger, World Bank Group Vice President for Poverty Reduction and Economic Management (PREM). “Policy responses to protect the poor from food price rises are urgent, and need to be designed in a way that is conducive to stimulating greater agricultural production in the long run.”
貧困削減・経済管理担当のダニー・ライプヅィガー世銀副総裁は「貧しい人々は食糧価格の高騰ばかりでなく、エネルギー価格の高騰にも直面している。これは不安の連鎖である」と述べ、「食糧価格の高騰から貧しい人々を守るための政策の実施が急務であり、それは同時に長期的な農業生産の活性化をもたらす政策である必要がある」との考えを示した。

Increased bio-fuel production has contributed to the rise in food prices, according to the report. Concerns over oil prices, energy security and climate change have prompted governments to increase bio-fuel production and use leading to greater demand for raw materials including: wheat, soy, maize and palm oil. Food price hikes are also linked to higher energy and fertilizer prices, a weak dollar and export bans.
報告書はまた、バイオ燃料生産の拡大が食糧価格の高騰に影響していると指摘する。石油価格やエネルギー安全保障、気候変動をめぐる不安が、バイオ燃料生産の必要性を各国政府に迫っており、小麦、大豆、トウモロコシ、ヤシ油などからできる原燃料の需要が増大している。食糧価格の引き上げは、エネルギーや化学肥料の価格高騰、弱いドル、輸出規制などの問題としても現われる。

The report notes that many governments are already taking action. Some are expanding targeted safety nets, such as cash transfer programs to vulnerable groups, food-for-work programs, or emergency food aid distribution. Several countries have lowered tariffs and other taxes on key staples, in order to provide some relief to consumers. In contrast, other countries have put in place export bans, which are detrimental to food importers and reduce incentives for production.
報告書は、すでに多くの国が行動を起こしていることに注目する。社会的弱者への送金計画や、仕事を与え、その対価として食糧を支給するフード・フォー・ワーク・プログラム、緊急の食糧配給援助などの対象を絞ったセーフティ・ネットを拡大している国もある。また、いくつかの国は、消費者に安心感を与えるため、食糧にかかる関税などの税金の額を引き下げている。半面、輸出規制を設け、食料輸入業者に不利益をもたらし、農業生産のやる気を失わせている国もある。

The report says that measures that seek to stimulate food grain supply are essential over the medium-term, and include strengthening basic infrastructure (transport, power and irrigation) and investing in agricultural technology. The World Bank Group is helping countries by:
報告書は、(輸送網、電力、灌漑設備などの)基礎的なインフラの強化と農業技術開発への投資を進め、中期的な穀物供給の刺激を促す措置を講じることが不可欠であると主張している。世界銀行は各国を支援するため、以下を実施する。

-Calling on the international community to make up the $500 million food gap required by the UN's World Food Program to meet emergency needs.
-国際社会に国連食糧計画が緊急のニーズを満たすために必要な5億ドル相当の食糧格差を解消するよう国際社会に求める

-Making agriculture a priority. The Bank has announced it will double agriculture lending in Africa in Fiscal Year 2009 - from $400 million to $800 million.
-農業を優先する。世銀は2009年度会計におけるアフリカへの農業向け融資額を4億ドルから8億ドルに倍増することを約束する。

-Increasing financial support for short-term needs (restructuring existing projects and increasing the size of upcoming grants and loans when needed).
-短期的ニーズのための財政的支援の拡大(現行の事業の再構築、必要に応じた供与と融資の拡大)
  
-Expanding and improving access to safety net programs, such as cash transfers, and risk management instruments to protect the poor.
-貧しい人たちを保護するための送金や危機管理措置などのセーフティ・ネットの拡大と改善を進める。
   
-Informing the discussion on bio-fuels.
-バイオ燃料に関する議論の周知

-Advocacy on the negative impacts of policies such as export bans, which create price spikes in importing countries, and the high levels of trade tariffs and subsidies in the developed world.
-食糧輸入国に急激な価格の高騰をもたらす輸出規制や関税の引き上げ、先進国への助成金のような政策の悪影響に対するアドボカシー

Last week, Zoellick called for a New Deal for Global Food Policy to focus not only on hunger and malnutrition, access to food and its supply, but also on the interconnections with energy, yields, climate change, investment, and the marginalization of women.
先週、ぜーリック総裁は飢餓や栄養失調だけでなく、食糧へのアクセスと供給に加え、エネルギー、農業生産力、気候変動、投資、女性の周縁化などの問題の相互連関を意識したグローバルな食糧政策のためのニューディールを呼び掛けた。

2008年4月24日木曜日

中国からジンバブエへの武器輸出:ガーディアン紙報道

この問題について、英ガーディアン紙の報道がかなり詳しいので紹介します。

これを訳しているとき、ちょうどNHKで「南ア・ダーバンで反対に遭い
中国の武器輸出船は引き返した」と報じているのを目にした。

が、日本のメディア報道は常に表面的すぎて、問題の本質を探る上で
まったく役に立たないとの思いを深める。

そもそも「南ア・ダーバンで反対された」という報じ方が
事情を知ってそう報道しているのであれば、言葉足らずである。
南アフリカ政府はダーバン港での中国の武器輸出船の荷揚げを
許可しているのである。
荷揚げ・積み替え輸送を拒否したのは、国際運輸労連である。

ここの事実関係を踏まえた報道をしないと
ジンバブエ問題をめぐる南アの融和的態度への批判が
高まっている事実が見えないし
かつて反アパルトヘイト政策で歩調を共にし、
今、アフリカの各国でリーダー的立場にある人物が
談合関係にあることの弊害に目が向かないまま終わってしまう。

ジンバブエの武器輸出について、中国外務省が
「武器輸出とジンバブエの混乱とは関係ない」とする
内事不介入原則に頼り切った論法で主張を展開している様が印象的だった。

Chinese ship carries arms cargo to Mugabe regime
中国籍の船舶がムガベ政権に武器輸出


77-tonne load includes mortars, rockets and millions of ammunition rounds
77トンもの積載量の貨物には、迫撃砲やロケット弾、何百万もの弾丸が含まれていた

David Beresford in Johannesburg
The Guardian, Friday April 18 2008
guardian.co.uk © Guardian News and Media Limited 2008

Chinese cargo ship believed to be carrying 77 tonnes of small arms, including more than 3m rounds of ammunition, AK47 assault rifles, mortars and rocket-propelled grenades, has docked in the South African port of Durban for transportation of the weapons to Zimbabwe, the South African government confirmed yesterday. It claimed it was powerless to intervene as long as the ship's papers were in order.
300万発以上の弾丸、AK47アサルト・ライフル、迫撃砲、対戦車用ロケット弾など、77トンに及ぶ小型武器を積載していると思われる中国籍の貨物船が、ジンバブエに貨物を輸送するため、南アフリカの港に入港した。南アフリカ政府は昨日、この船舶の貨物を承認した。このことは、船舶が書類上適法である限り、介入の権限はないことを証明しているといえる。

Copies of the documentation for the Chinese ship, the An Yue Jiang, show that the weapons were sent from Beijing to the ministry of defence in Harare. Headed "Dangerous goods description and container packing certificate", the document was issued on April 1, three days after Zimbabwe's election. It lists the consignment as including 3.5m rounds of ammunition for AK47 assault rifles and for small arms, 1,500 40mm rockets, 2,500 mortar shells of 60mm and 81mm calibre, as well as 93 cases of mortar tubes.
中国籍の船舶「安岳江」が準備した書類によると、武器は北京からジンバブエの首都ハラーレにある防衛省に輸送されることになっている。この「危険物証明とコンテナ包装許可」と題する書類は、4月1日に発行されている。ジンバブエで選挙が行われてから3日後のことである。積送品リストには、AK47アサルト・ライフルなどの小型不器用の弾丸350万発、40mm対戦車ロケットランチャー1500個、60mmと81mm口径の迫撃砲2500個と迫撃砲の砲口用ケース93個が含まれている。

The carrier is listed as the Cosco shipping company in China.
運送業者は、中国のコスコ造船会社となっている。

South Africa's national conventional arms control committee issued a permit on Monday for the trans-shipment of the cargo from Durban to Harare. The head of government information in South Africa, Themba Maseko, said yesterday: "We are not in a position to act unilaterally and interfere in a trade deal between two countries." South Africa had to "tread very carefully", given the complexity of the situation in Zimbabwe, Maseko said.
南アフリカの通常兵器輸出管理委員会は月曜日、ダーバンからハーラレへの積み替え輸送の許可証を発行した。南アフリカのテンバ・マセコ報道官は昨日、「我々は単独でジンバブエとの貿易取引に干渉できる立場にない」と述べている。マセコ報道官は、ジンバブエの情勢不安に鑑みて、南アフリカは「慎重に事を運ばなければならない」とも語った。

South Africa was not encouraging the purchase of weapons by Zimbabwe, he said, pointing out that there was no UN trade embargo against that country.
さらに、マセコ報道官は、南アフリカはジンバブエの兵器購入を奨励しているわけではないと述べるとともに、同国が国連の禁輸措置の対象になっているわけではないことも指摘した。

But Tony Leon, the South African opposition foreign affairs spokesman, said the shipment was tantamount to "putting a fuse in a powder keg".
しかし、南アフリカ野党の外交問題担当報道官は、中国籍の武器輸出船は「火薬の導火線に火をつける」ようなものだと主張する。

Dockers in Durban were refusing last night to unload the ship. The SA Transport and Allied Workers Union's general secretary, Randall Howard, said: "Satawu does not agree with the position of the government not to intervene with this shipment of weapons. Our members will not unload this cargo, neither will any of our members in the truck-driving sector move this cargo by road."
ダーバンの港湾労働者は昨夜、中国籍船舶の荷揚げを拒否した。南アフリカ運輸合同労働組合(Satawu)のランドル・ハワード事務総長は「Satawuは兵器の輸送に干渉しないとする南アフリカ政府の立場に賛同しない。港湾労働者は中国籍船舶に荷揚げをさせないし、陸路での貨物輸送も許さないだろう」と述べる。

Despite international criticism, the Chinese government has been a longstanding backer of Zimbabwe president Robert Mugabe's authoritarian regime, supplying it with jet fighters, military vehicles and guns. China, or Chinese businesses, are reported to have sold radio-jamming devices to prevent independent stations from contradicting the state-controlled media, and have signed vital agriculture deals. Even the blue tiles on Mugabe's latest 25-bedroom mansion, reminiscent of Beijing's Forbidden City, were a gift from China.
国際的な批判が高まっているにもかかわらず、中国はジンバブエのムガベ政権を長年支持し、ジェット戦闘機や軍用車両、銃器を提供してきた。中国政府、もしくは中国企業がジンバブエに通信妨害機器を売り、独立したメディアによる官製メディア批判の邪魔をしてきたとの報道もある。また、農業貿易の活発化で合意してもいる。ムガベが最近建てた25部屋の寝室があるマンションの壁に貼られた北京の紫禁城を彷彿とさせる青色のタイルは、中国からの贈り物だ。

China has in the past used its veto at the UN security council to prevent the Zimbabwe issue from being raised, on the grounds that the country's problems were an internal matter.
中国はかつて、国連安全保障理事会でジンバブエ問題を議題にすることに対し、拒否権を発動したことがある。ジンバブエ問題は国内管轄事項だとの理由からである。

In Britain, William Hague, the shadow foreign secretary, said last night: "The international community must speak with one voice on Zimbabwe. We call on China, as part of that community, to suspend arms sales to Zimbabwe.
英国では、野党の影の外務相であるウィリアム・へイグ氏が昨夜、「国際社会がジンバブエに対して発している声は一つだ。我々は、国際社会の一員である中国に対し、ジンバブエとの武器取引を止めるよう求める」と訴えた。

"The Mugabe regime continues to deny the right of the people of Zimbabwe to choose their leaders. To supply arms to it at time when opposition activists are being intimidated and attacked, not only sends the wrong signal, but will harm the reputation of China.
また、へイグ氏は「ムガベ政権はジンバブエの国民から自国のリーダーを選択する権利を奪い続けている。野党勢力が脅迫され、弾圧されている今、ムガベ政権に武器を供与することは、同政権に対し良からぬサインを与えることになるばかりでなく、中国の信用も傷付くことになるだろう」と述べるとともに、

"In addition, it is time that neighbouring states like South Africa made clear that such shipments are not welcome."
「南アフリカのような近隣諸国は、ジンバブエ向けの武器輸出船による輸送を許可してはならない」と語った。

The Foreign Office was more cautious. A spokeswoman said that Britain backed an EU ban on arms sales to Zimbabwe and was encouraging other governments to do the same. The FO said it was monitoring the situation and seeking to verify reports about the ship's cargo.
英国外務省も極めて慎重である。報道官によると、英国はジンバブエに対する武器の売買を禁じるEUの決定を支持し、同決定を他国の政府にも促しているという。外務省は状況を監視するとともに貨物船についての報告の検証を求めていると説明している。

A spokesman for China's foreign ministry said it was aware of the reports about the shipment, but needed more time to look into the matter.
中国外務省の報道官は、武器輸出船の報告については知っていたが、問題の検証にはまだ時間が必要だと述べた。

The disclosure about the ship's cargo follows claims by an official from the Zimbabwe opposition Movement for Democratic Change that Chinese soldiers had been seen in the country.
中国籍の武器輸出船が積載している貨物の開示は、ジンバブエの野党、民主変革運動からの要請に従ったものだ。民主変革運動のメンバーは、ジンバブエで中国兵の姿を目撃しているともいう。

There were some signs yesterday that South Africa may at last be bending under international pressure, when the cabinet joined calls for the release of Zimbabwe's election results.
昨日、ついに南アフリカが国際社会からの圧力に屈したと思える行動に出た。南アフリカ政府も、ジンバブエに選挙結果を公表するよう要請したのである。

Zimbabwe's opposition leader, Morgan Tsvangirai, called on South Africa's president, Thabo Mbeki, to stand down as the chief mediator in the country's election crisis, as the US criticised African governments for lack of action on the issue. "It is time for Africa to step up," the US secretary of state, Condoleezza Rice, said.
民主変革運動のモルガン・ツヴァンギライ党首は、南アフリカのタボ・ムベキ大統領に対し、選挙後の混乱の最中にあるジンバブエと仲介する責任者の任を降りるよう求めた。米国がジンバブエ問題に対する南アフリカ政府の行動が不十分であると批判しているためである。米国務省のコンドリーザ・ライス長官は「アフリカは進歩するときである」と語った。

Tsvangirai told a news conference in Johannesburg: "President Mbeki needs to be relieved from his duty."
ツヴァンギライ党首はヨハネスブルグで開かれた記者会見で、「ムベキ大統領を任務の責任から解放してあげる必要がある」と述べた。

Mbeki, is also under pressure from Jacob Zuma, the leader of the ruling African National Congress. Zuma has adopted a more hostile attitude towards Mugabe, saying that "the region cannot afford a deepening crisis in Zimbabwe".
ムベキ大統領は、アフリカ民族議会のジェイコブ・ズマ議長からの圧力にもあえいでいる。ズマ議長はムガベに対して、より敵対的な態度を取っている。ズマ議長は「アフリカには、ジンバブエの危機の悪化を甘受する余裕はない」と語った、

2008年4月23日水曜日

中国からジンバブエへの武器輸出

ジンバブエは内陸部の国なので、アンゴラの港で荷揚げしてから
武器が陸路で輸送されるようだ。

ジンバブエ向けの中国籍の武器輸出船は
不正な武器密輸を行っていたとの理由で米国に起訴されたことのある
中国軍系の企業のものであるとの報道もある。

現在、混乱の最中にあるジンバブエに武器が輸出されることで
ジンバブエ政府が野党勢力の弾圧に用いるのではないかと懸念されている。

とあるブログ愛読者の方が紹介して下さったCNNの記事より。

Zimbabwe weapons ship headed for Angola
ジンバブエ向けの武器輸出船、アンゴラに向かう


CNN's Nkepile Mabuse and Bridget Fallon contributed to this report.
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/africa/04/19/safrica.china/index.html

JOHANNESBURG, South Africa (CNN) -- A Chinese ship loaded with arms and ammunition sailed away from a South African waters and is on its way to Luanda, Angola to unload its cargo bound for Zimbabwe.
ヨハネスブルグ、南アフリカ(CNN):武器・弾薬を積んだ中国籍の船舶が、ジンバブエに輸送される貨物を荷揚げするためアンゴラのルアンダ州に向かった。

South Africa's High Court ruled Friday the cargo could be offloaded in the Durban port, but it could not pass over South Africa roads to get to Zimbabwe, a country in crisis because of an election stalemate.
南アフリカ高等裁判所は金曜日、船舶にダーバン港で荷揚げするよう命じていた。しかし、南アフリカからでは、選挙後の混乱で危機的状況に陥っているジンバブエに、陸路で貨物を輸送することができない。

Durban's dockworkers also said they would not handle the cargo, fearing the arms would be used by the Zimbabwean government against its own people.
ダーバンの港湾労働者も、武器・弾薬を含む貨物の荷揚げはできないと語っていた。ジンバブエ政府が自国民の弾圧に使う恐れがあるためである。

A South African government source told CNN the China-flagged An Yue Jiang had sailed away from Durban Friday evening before the High Court's order could be served to the ship's captain.
南アフリカ政府関係者がCNNに語ったところによると、中国籍の船舶「安岳江」は金曜の夕方、高等裁判所からの命令が船長に言い渡される前に、ダーバン港を出発した。

The ship was headed to the port of Luanda, Angola, according to the South African Department of Transport.
南アフリカ運輸省によると、船はアンゴラのルアンダ州にある港に向かったという。

Zimbabwe is in turmoil after elections last month that saw the opposition Movement for Change party win a majority of seats in the parliament, although Mugabe's ZANU-PF party has contested 16 seats, claiming the MDC cheated.
ジンバブエは先月に行われた選挙の後、混乱に陥っている。野党の民主変革運動が過半数の議席を制したが、ムガベ大統領率いるジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線は16議席分について異議を申し立て、民主改革運動が不正を働いたと主張している。

The Zimbabwe Electoral Commission began a recount of 23 of those districts Saturday morning.ジンバブエの選挙運営委員会は土曜の朝、23選挙区で再集計を開始した。

The presidential election, however, has sparked much more concern. The government of President Robert Mugabe, who has been in power since Zimbabwe won its independence in 1980, has refused to release results of that vote before a recount.
大統領選に至っては、いっそう不安を煽るものとなっている。現大統領のロバート・ムガベは、ジンバブエが1980年に独立して以来、権力の座につき続けているが、再集計が行われる前の今回の選挙の投票結果の公表を拒み続けている。

The MDC says its candidate, Morgan Tsvangirai, won the election, but ZANU-PF has claimed the MDC engaged in election tampering. The delay in releasing the vote sparked violence and a government crackdown on opposition members.
民衆変革運動は、同党の候補であるモルガン・チャンギライ氏が議席を獲得したにもかかわらず、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線は民衆変革運動が選挙で不正を働いたと言って憚らないと述べる。

"This union has a proud history of taking action against regimes which it disapproves of in the past, but this is certainly the first time it has gotten involved in an African regime like Zimbabwe," David Cockroft, general secretary of the International Transport Workers Federation, said.
国際運輸労働連盟のデービッド・コックロフト事務総長は「連盟は、過去に賛同できない政権に反対し、行動を取ってきた歴史に誇りを持っている。しかし、ジンバブエのような国にかかわったのは初めてだ」と語る。

"I don't think there's much doubt that the (dock) workers ... are very strongly against the Mugabe regime," he said.
コックロフト事務総長は「港湾労働者がムガベ政権に強く反対していたと疑う余地はないと思う」と述べている。

Cockroft said that arms had almost certainly been shipped to Zimbabwe through Durban in the past, but the size of this shipment -- "more than a million pounds" and 3.5 million rounds of rifles, small arms, mortar shells and rocket-propelled grenades -- made it more noteworthy.
コックロフト事務総長によると、かつて武器がダーバン港で荷揚げされ、ジンバブエに輸送されたことがあるのはほぼ確実だという。しかし今回は船の積載量が「100万ポンド以上」であり、ライフルや小型武器、迫撃砲、対戦車ロケット弾用の弾が350万発も積載されていることが注目されている。

Earlier, South African Revenue Service spokesman Adrian Lackay told CNN "that it is commonplace for landlocked neighboring states in southern Africa to use South African ports of entry for the transshipment of goods."
以前、南アフリカ歳入庁のアドリアン・ラッケイ報道官がCNNの取材に応じ、「南アフリカの港は近隣の内陸諸国にとって、積み替え貨物を通関させるための共通の港となっている」と語っていた。

Lackay indicated that the ship had complied with South African regulations requiring it to disclose the contents of the cargo it is carrying.
ラッケイ報道官は、ジンバブエ向けの中国籍の船舶は、積載している貨物の中身を開示するよう求める南アフリカの規則に従っていたと指摘する。

A government spokesman, Thembo Maseko, told CNN, "There were arms on the ship."
政府報道官のテンボ・マセコ氏がCNNに語ったところによると、「船には武器が積載されていた」という。

The Chinese Foreign Ministry issued a statement in a fax to the Reuters news agency saying that China and Zimbabwe have normal trade relations, that the Chinese government takes a "prudent and responsible" position on arms deals and that it does not involve itself in the internal affairs of other countries.
中国外務相はロイター通信社にファックスで声明を発表している。声明によると、中国とジンバブエは正常な貿易関係を構築しているという。また声明は、中国政府が武器取引については「慎重で、責任ある」態度を取っており、武器取引自体は、他国の内政に関与するものではないとの見解も示している。

2008年4月21日月曜日

情勢が緊迫するジンバブエ:ムベキ南ア大統領への批判

3月末に行われた選挙結果が反映されることなく
今に至っているジンバブエの情勢が緊迫している。

民主的なプロセスを軽視しているジンバブエのムガベ大統領に対し
南アフリカのムベキ大統領の姿勢が甘すぎるのではないかとの
厳しい批判が、ヘラルド・トリビューン紙に掲載されています。

米国のシンクタンクである外交評議会のフェローらによる批判です。

The silence of Mbeki
ムベキ南ア大統領の沈黙

By J. Anthony Holmes and Sasha Polakow-Suransky
Thursday, April 17, 2008
NEW YORK:

Copyright © 2008 The International Herald Tribune www.iht.com

Twenty-eight years ago, Zimbabwe celebrated its independence from Britain, the end of white minority rule and the victory of Robert Mugabe in the country's first democratic elections.
28年前、ジンバブエは英国からの独立に沸いていた。初の民主的な選挙を通じて、白人支配は終焉し、ロバート・ムガベが勝利した。

Yet today, Zimbabwe's population is suffering from hyperinflation (165,000 percent annually), 80 percent unemployment, widespread hunger, and wholesale trampling of basic democratic rights.
ところが今、ジンバブエは(年に16万5000%増という)急激な人口増加にあえいでいる。ジンバブエの人口の80%が失業していることに加え、飢餓も広範に広がり、基本的な民主的権利は全て踏みにじられている。

Nearly three weeks have passed since the March 29 elections in which opponents of Mugabe's ZANU-PF party stunningly won a parliamentary majority for the first time ever and outpolled Mugabe in the initial round of the presidential contest. Yet Mugabe's government has refused to release the official results.
3月29日に実施された選挙で、野党が初めてムガベ大統領率いるジンバブエ・アフリカ民族同盟に勝利し、過半数を超える議席を獲得してから3週間近くが過ぎた。大統領選の序盤では、対立候補が獲得した票が、ムガベ大統領を上回った。しかし、ムガベ政権は選挙結果の公表を拒んでいる。

Despite calls to publish the vote count from Zimbabwe's southern African neighbors, George W. Bush, Gordon Brown, and the UN secretary general, Ban Ki Moon, the man with the greatest leverage, President Thabo Mbeki of South Africa, has remained bizarrely silent.
ジンバブエの近隣諸国から、選挙結果の公表を求める声が高まっている。にもかかわらず、ジョージ・W・ブッシュ米大統領やゴードン・ブラウン英首相、バン・キ・ムン国連事務総長といった大きな政治的影響力を持つ人物に加え、南アフリカのタボ・ムベキ大統領まで、奇妙にも沈黙を決め込んだままでいるのだ。

Last Saturday, after a closed-door session with Mugabe, Mbeki stunned the world by declaring that "there is no crisis in Zimbabwe."
先週土曜日に行われたムガベ・ムベキ両大統領による非公開の会談後に出された「ジンバブエは危機に瀕していない」との宣言は、世界を驚愕させた。

On Wednesday, Mbeki chaired a special session of the UN Security Council to discuss African security issues. But despite calls for a free and fair runoff from the United States, Britain and France and the secretary general's statement that "the credibility of the democratic process in Africa could be at stake here," Mbeki prevailed, insisting that his "quiet diplomacy" be given more time. (In reaction to criticism at the UN, a South African government spokesperson issued a statement on Thursday calling the situation "dire" and urging publication of the election results.)
水曜日には、ムベキ大統領が議長を務める国連安全保障理事会の特別会議で、アフリカの安全保障問題が議論された。米国、英国、フランスと国連事務総長から「アフリカの民主的プロセスの信頼性が損なわれている恐れがある」との声明が出され、自由で公正な選挙の実施が要請された。しかし、ムベキ大統領は、彼が言うところの「静かな民主主義」には時間が必要だと言って憚らなかった。(国連での批判を受けて、南アフリカ政府は木曜日に声明を出し、状況は「厳しい」との認識を示すとともに、選挙結果の公表を訴えた)

Since Zimbabwe began to implode in 2000, Mbeki has alternated between coddling the former liberation war hero and pursuing his so-called "quiet diplomacy" rather than insisting on better governance in Zimbabwe.
2000年にジンバブエの体制が危機に瀕してからというもの、ムベキ大統領は、かつての人民解放闘争の英雄を甘やかしてみたり、ジンバブエに良き統治をもたらすよう訴えるよりも「静かな民主主義」を主張してごまかしたりしてきた。

But this policy has proved a resounding failure. In late 2007, Mbeki presided over secret negotiations between Mugabe and the Zimbabwean opposition on a new constitution that included major reforms and democratic safeguards that leveled the electoral playing field.
しかし、こうしたムベキ大統領の姿勢は、まったくの失敗であったことが証明された。2007年の後半に、ムベキ大統領は、ムガベ大統領とジンバブエの野党勢力が選挙の際の民主的な保障措置など根幹部分の改革案を含んだ新憲法について話し合う秘密裏の交渉を取り持った。

Yet Mugabe repudiated Mbeki's efforts by insisting that the March 29 elections be conducted under the old constitution. Mbeki's refusal to condemn Mugabe and lead a regional diplomatic front to pressure him to honor the vote - either by holding a fair runoff or stepping down - is particularly disappointing because he and other anti-apartheid activists condemned Western countries for precisely this sort of softball diplomacy during the 1980s.
ところがムガベ大統領は3月29日の選挙は現行の憲法の下で行うと主張し、ムベキ大統領の努力を無駄にした。ムベキ大統領は、ムガベ大統領を批判もしなければ、地域的な外交圧力を掛け、投票の結果を尊重するよう説得することも、公正な決選投票を行うか大統領の地位を降りるよう迫ることもしなかったのである。ムベキ大統領をはじめとする反アパルトヘイトを掲げた運動家たちは、1980年代、西欧諸国の態度をソフトボール外交だと批判していたことを想起すると、今のムベキ大統領の態度には、特に失望させられる。

When the African National Congress called for universal suffrage and sanctions against the apartheid regime, the Reagan administration instead pursued a gradual policy of "constructive engagement."
アフリカ民族会議が普通選挙権とアパルトヘイト体制に対する制裁を求めたとき、米レーガン政権は代わりに「建設的関与」と称する漸進的な政策を採用した。

Now, when the Zimbabwean opposition and democracy activists call for free and fair elections and a public tally of three-week old votes, Mbeki's ANC government thumbs its nose and places South Africa squarely against the democratic values upon which it was founded.
さあ今、ジンバブエの野党と民主主義推進派は自由で公正な選挙と3週間前の投票の集計結果の公開を求めている。ムベキ大統領率いるアフリカ民族会議はそうした動きを軽蔑し、かつて南アフリカの地に根付かせたはずの民主主義の価値に真っ向から対立しているのである。

This inaction in the face of Mugabe's blatant suppression of democracy makes a mockery of the good governance agenda at the core of Mbeki's signature pan-African initiative: the New Partnership for Africa's Development. As a result, South Africa's carefully cultivated image as a defender of democracy and human rights has taken a serious blow.
ムガベ大統領のあからさまな民主主義の抑圧に対する不作為は、アフリカの発展のための新たなパートナーシップとして始まった汎アフリカン・イニシアチブの核である良き統治のためのアジェンダを台無しにさせている。結果として、南アフリカが慎重に広げてきた民主主義と人権の擁護者としてのイメージは、ボロボロになってしまった。

Fortunately, divisions within the South African government are emerging. Mbeki's continued equivocation and protection of Mugabe has strained his already shaky hold on the foreign policy leadership of his own party.
幸運にも、南アフリカ政府には内部分裂が見られる。ムベキ大統領が曖昧な態度を取り続け、ムガベ大統領を擁護し続けることが、すでに脆弱な彼の外交政策における支配力を発揮する上での負担となっているのである。

Since he was defeated by his arch-rival Jacob Zuma in December in an effort to win a third term as president of the ANC, Mbeki has been a lame duck. Tension has mounted over the division of power and policy leadership between the Zuma-controlled party structure and Mbeki's government. Zuma has publicly criticized both Mugabe and Mbeki's ineffectual approach, giving hope to the Zimbabwean opposition.
ムベキ大統領が三選を目指して戦った12月のアフリカ民族会議長選挙で、一番のライバルであるジェイコブ・ズマ副大統領に敗れて以来、ムベキ大統領は死に体と化してしまった。ズマ副大統領の支配下にある政党組織とムベキ政権との間で権限と政治的リーダーシップをめぐる主導権争いが生じ、緊張は高まっている。ズマ副大統領はムガベ・ムベキ両大統領の指導力のなさを公然と批判し、彼らの無力さが、ジンバブエの反体制派を勢いづかせていると非難している。

Since he was defeated by his arch-rival Jacob Zuma in December in an effort to win a third term as president of the ANC, Mbeki has been a lame duck. Tension has mounted over the division of power and policy leadership between the Zuma-controlled party structure and Mbeki's government. Zuma has publicly criticized both Mugabe and Mbeki's ineffectual approach, giving hope to the Zimbabwean opposition.
ムベキ大統領が三選を目指して戦った12月のアフリカ民族会議長選挙で、一番のライバルであるジェイコブ・ズマ副大統領に敗れて以来、ムベキ大統領は死に体と化してしまった。ズマ副大統領の支配下にある政党組織とムベキ政権との間で権限と政治的リーダーシップをめぐる主導権争いが生じ、緊張は高まっている。ズマ副大統領はムガベ・ムベキ両大統領の指導力のなさを公然と批判し、彼らの無力さが、ジンバブエの野党勢力を勢いづかせていると非難している。

While Mbeki has failed to play the role of regional power broker in forging a solution to the Zimbabwean impasse, other leaders have cautiously stepped forward. Presidents Levy Mwanawasa of Zambia and Ian Khama of Botswana have treated the situation as an emergency and encouraged the Southern African Development Community to play a stronger role. If only South Africa would join them, these countries could display a united front and deny Mugabe the legitimacy that he craves personally and needs politically.
ムベキ大統領は、ジンバブエが直面する難局の解決策を提案し、地域的な仲介役としての力を発揮することができていない。一方で、他国のリーダーたちは、着々と前に進んでいる。ザンビアのレヴィー・ムワナワサ大統領とボツワナのイアン・カーマ大統領はジンバブエの状況を緊急事態と認識し、南部アフリカ開発共同体に積極的な役割を果たすよう訴えかけている。もし南アフリカがこの動きに加わるのであれば、ザンビアやボツワナも共同戦線を張って、ムガベが個人的に切望し、政治的に必要であるという大統領としての正統性を否定するだろう。

Strong African rejection of his actions, more than anything else, could fracture his support from the Zimbabwean military and internal security czars who are presently propping him up.
ムガベ大統領に対するアフリカ諸国の強い拒絶が何よりも重要だ。そうすることで、ジンバブエ軍と治安組織の親玉により堅固に守られてきたムガベ大統領の権力基盤は粉砕されることになるだろう。

In the meantime, though, as Mbeki dithers and the vote tally remains secret, ZANU-PF has embarked on a full-fledged campaign of voter intimidation to ensure that Mugabe "wins" the runoff round of presidential elections.
同時に言えることだが、ムベキ大統領が躊躇し、投票の集計結果は秘密にされたままでいるからこそ、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線はムベキ大統領が大統領選での決選投票で確実に「勝利」できるよう、有権者の脅迫を堂々と行っているのである。

There are numerous reports that gangs of government loyalists have targeted communities where support for the opposition was strongest, beating and bludgeoning those who voted against Mugabe. Mbeki had hoped that the New Partnership for Africa's Development would be a hallmark of his foreign policy legacy. Instead, by denying the crisis in Zimbabwe and perpetuating Mugabe's egregious misrule, he is more likely to be remembered as the apologist who abandoned his own values and ignored the plight of his 13 million African brothers next door.
政権支持派のギャング団が、野党を支持する有力なコミュニティを標的にし、ムガベ大統領に反対票を投じた者をこん棒で殴りつけていたとの報告もある。ムベキ大統領が期待するアフリカの発展のための新たなパートナーシップ構想は、彼の外交政策の集大成的な成果であるといえる。半面、ムベキ大統領がジンバブエでの危機を見てみないふりをすれば、ムガベ大統領のとんでもない悪政が存続されてしまうのだ。もうそろそろムガベ大統領は気付くだろう。自分が自身の価値を放棄した言い訳がましい弁明者と成り果て、1億3000万人のアフリカの同胞たちが直面する苦境に盲目であったということに。

J. Anthony Holmes is the Cyrus Vance Diplomatic Fellow at the Council on Foreign Relations and the former U.S. ambassador to Burkina Faso. Sasha Polakow-Suransky is associate editor of Foreign Affairs.

2008年4月20日日曜日

セルビアはイラクとの武器取引の密約を否定

先日、イラクがセルビアと不正に武器取引をしているのでないかとする
ニューヨークタイムズ紙の要約記事を紹介しましたが
これについて、セルビア側は否定しているようです。

とはいえ、セルビアはかつて、フセイン政権当時のイラクとも
軍事的に密接な関係にあったし
今もおそらくは柔軟に商談できる相手であるだろうことからも
NYTの記事における懸念も理解できる。

ヘラルド・トリビューン紙が掲載したAFPの記事より。

Serbia rejects wrongdoing in Iraqi arms deal
セルビアはイラクとの武器取引における不正を否定


The Associated Press Monday, April 14, 2008
Copyright © 2008 The International Herald Tribune http://www.iht.com/

BELGRADE, Serbia: Serbia's defense officials on Monday denied a news report saying that its US$236 million arms deal with Iraq had been negotiated in secret, without the knowledge of American commanders or many senior Iraqi leaders.
セルビアの防衛関係者は月曜日、米軍司令官やイラク政府高官の関知しないところで、セルビアがイラクと2億3600万ドル規模の武器取引をめぐり密約を交わしたとする報道を否定した。

Defense Minister Dragan Sutanovac also denied that criticism of the deal in Iraq and concern over the shoddiness of the Serbian equipment had led Baghdad to sharply reduce the deal from its original price of US$833 million.
ドラガン・スタノヴァツ防衛相はまた、イラクでの取引に対する批判の声とセルビアから購入する装備の粗悪さへの懸念を理由に、イラク政府が当初の取引額である8億3300万ドルから大幅な減額を要求したとの事実についても否定した。

"If they had ever offered us a US$833-million deal, we would have never let them go before it is concluded," Sutanovac told private B-92 television.
スタノヴァツ防衛相はB-92テレビに出演し、「もしイラク側が取引額として8億3300万ドルを提示したのならば、それで取引が成立する前に彼らを放すわけがないがない」と語っている。

Sunday's article in The New York Times said the arms deal, which was completed in September, was negotiated without competitive bidding and the required anti-corruption safeguards, but that no specific crimes appeared to have been committed.
日曜日のニューヨークタイムズ紙の記事では、9月に成立したセルビアとイラクの武器取引は、競争入札も行われず、汚職防止のための保障措置も取られないまま交渉が進んでいたという。かといって、特段、犯罪に関与したというわけでもないようだ。

Stevan Nikcevic, general director of Serbia's arms exporter Jugoimport-SDPR, said the deal to sell aircraft, weapons and military equipment to Iraq was openly negotiated last year with Iraqi Defense Minister Abdul-Qadir al-Obeidi, not in secret.
セルビアの武器輸出企業であるJugoimport-SDPR社のステヴァン・ニケヴィッチ社長は、航空機や兵器、軍備品などをイラクに売るための取引は、イラクのアブドル・カディル・アル・オベイディ防衛相を相手に昨年から公然と行われていたものであって、密約などではないと主張している。

"All Iraqi government officials were acquainted with all the contracts that have been concluded with us," Nikcevic told reporters.
「イラクの政府関係者は皆、我々と結んだ契約のすべてを知っているはずだ」とニケヴィッチ社長は報道陣に語った。

Sutanovac said the deal, which was widely reported in the Serbian media, had received the approval of the U.S.-led coalition in Iraq.
スタノヴァツ防衛相は、セルビアのメディアにより広く報じられた取引は、イラクに駐留する米軍主導の多国籍軍から認可を得ていると述べる。

The New York Times reported that when American military officials found out about the deal they managed to persuade al-Obeidi to cancel the purchase of 30-40 French-made Puma helicopters from Serbia, arguing that they were unsuited to Iraq's harsh desert climate. The article said the minister also decided against buying armored personnel carriers and Gazelle helicopters from Serbia.
ニューヨークタイムズ紙は、米軍の関係者が取引の存在に気付き、セルビアからフランス製のピューマ・ヘリコプターを30-40機購入することになっていたが、イラクの厳しい砂漠の気候風土に適した機体ではないとアル・オベイディ防衛相を説得し、なんとか購入をキャンセルさせたと報じている。同紙の記事では、オベイディ防衛相は、セルビアから装甲兵員輸送車とガゼルの購入もしないことに決めたとも伝えている。

But officials in Serbia said their country has never produced Puma helicopters or used them in its own military. Gazelles were built under French license in the former Yugoslav federation in Mostar, a city that is now part of neighboring Bosnia — but even that ceased nearly 20 years ago.
ところが、セルビアの関係者によると、セルビアではピューマ・ヘリコプターを製造していないし、軍に配備もしていないのだという。ガゼルについては、現在、ボスニアの一都市となった旧ユーゴ時代のマケドニア共和国でかつて、フランスの許可の下、製造されていたが、20年前から製造は中止されている。

"The issue here is that somebody is unhappy for not being included in the deal," Nikcevic said. He also disputed the article's description of Serbian arms delivered to Iraq as shoddy, saying none of them had been shipped to Iraq yet.
「問題は、取引に加われないことで、不幸になるのは誰だということだ」とニケヴィッチ社長は述べる。ニケヴィッチ社長はまた、ニューヨークタイムズ紙の記事の中では、セルビアからイラクに配送された武器が粗悪なものとして記述されていることについて、イラクにまだ武器を一つも運送していないと指摘する。

Sutanovac has said that arms deal with Iraq included 20 light training aircraft, pistols, assault rifles, mortars, ammunition, explosives and bulletproof vests.
スタノヴァツ防衛相によると、イラクとの武器取引には、軽量練習機20機、ピストル、アサルト・ライフル、迫撃砲、火薬類、防弾チョッキが含まれているという。

The piston-engine Lasta 95 warplane is a new development by Utva aircraft industry just outside Belgrade, and will enter production thanks to the deal with Iraq.
ピストン・エンジンを搭載したラスタ95攻撃機は、ベルグレードからわずかに外れたところにあるロラ・ウトヴァ社が新たに開発している戦闘機で、イラクとの武器取引が成立したため、その製造に乗り出す方針が明確になった。

The New York Times article said deal with Serbia had underscored Iraq's continuing problems in equipping its armed forces, saying the process has long been plagued by corruption and inefficiency.
ニューヨークタイムズ紙の記事は、セルビアとの取引は、イラク軍の装備をめぐって、引き続き直面する問題が浮き彫りになると記述している。それは、汚職と効率の悪さに長らく汚染されてきた取引交渉の問題であるという。

The former Yugoslavia — in which Serbia was the largest republic — enjoyed close military ties with Iraq for several decades. It supplied arms to Iraq in the 1970s and 80s, and its construction companies built much of Iraq's military infrastructure, including air bases and command bunkers.
旧ユーゴの中でも最大の共和国だったセルビアは、数十年にも渡り、イラクと軍事的な結びつきを密にしてきた。セルビアは1970年代から80年代にかけて、イラクに武器を供与してきたことに加え、セルビアの建設会社は、空軍基地や掩蔽壕など、イラクの多くの軍事施設の建設にかかわってきた。

2008年4月18日金曜日

武器貿易条約形成に向けた政府専門家会議が始まる

おそらくこのブログを読んでいる人は10人もいないだろうが
数少ない貴重な愛読者の方から、とある質問を頂戴する。

質問はイラクとセルビアの武器取引の記事に関連したもの。
セルビアは自前で武器を製造しているの?とのことでした。

確かに、各国の防衛産業事情がどうなっているのか
できる限り把握しておくと問題の背景がよく分かる。
おいおい調べてみようと思う。

セルビアについては、国営企業として武器の輸出入や
防衛産業サービスを提供するYugoimport SDPRがまずある。
主に小型武器製造を行っているZastava Armsも有名なようだ。

イラクがセルビアと武器取引を行う背景として
NYTの記事でも指摘されていたが
欧米諸国の武器輸出入に伴う規制が
かなり厳しくなっているということが考えられる。

イラク軍、ないし治安部隊の装備面での欠乏状態は
今も続いており、神出鬼没な武装闘争集団を圧倒できない。
なので、装備品をできるだけ素早く、量もたくさんそろえたいところだが
米国相手だと、ルールは厳しいわ、装備は高性能だが高すぎるわで
そう簡単には武器調達できない。

なので武器取引をめぐるルールの弛緩地域を探った結果
セルビアが浮上したという側面があるのではないかと思う。

イラクはそもそも、フセイン政権時代から
大量破壊兵器、通常兵器の開発に必要な物資を調達するため
数十ページもの各国の輸出規制品リストを常に政府高官が持ち歩き
規制の縛りが弱い輸入ルートを探り当てていた国だ。

セルビア政府は今回のイラクとの武器取引を否定しているようだが
(また記事の邦訳を後日載せます)
武器取引を規制するルールが国・地域ごとに異なるという点は
武器の不正な流出入を食い止める上での障害であることは間違いない。

そんな不均一なルールを統一化していく試みが
武器貿易条約の形成に向けた取り組み。
2月から国連主催の専門家会議が始まりました。

軍縮・軍備管理を専門とした米国のシンクタンク(http://www.armscontrol.org/
が発行しているアームズ・コントロール・トゥデイ誌に掲載された記事より。

Arms Control Today
March 2008

U.S. Joins Study of Arms Trade Treaty
米国が武器貿易条約の検討会議に参加


Jeff Abramson

All 28 countries invited to do so, including the United States, sent representatives to a UN-sponsored experts meeting in February to explore a global arms trade treaty (ATT). The United States originally voted against starting the effort (see ACT, December 2006), prompting many to believe it would not participate in the process.
不正な武器取引の包括的な規制を目指した武器貿易条約について検討する国連主催の専門家会議が2月に開かれた。会議に招聘された米国を含む28カ国のすべてが代表を派遣している。米国は当初から武器貿易条約の形成に向けた取り組みに反対していたため(2006年12月のアームズ・コントロール・トゥデイ誌参照)、多くの人が米国は武器貿易条約の交渉過程に参加しないだろうと感じていた。

The Feb. 11-15 governmental group of experts meeting is the first of three such meetings slated to take place this year. The experts are charged with examining the “feasibility, scope and draft parameters for a comprehensive, legally binding instrument for the import, export and transfer of conventional arms.” The expert meetings are closed to the public and are not intended to be negotiations but rather to produce a set of recommendations that could lead to a treaty.
年内に3回の開催が予定されているこの政府専門家会議の第1回目の会合が、2月11-15日までの日程で開かれた。会議に参加した専門家は「通常兵器の輸出入と移転を包括的に規制する法的拘束力のある文書の実効性と適用、規定の範囲」を検討することになっている。会議は非公開である上に、交渉の場としての意味合いもない。むしろ、条約形成に向けた勧告をまとめる場である。

Many governments and civil society groups that have pushed for the UN effort believe that it could result in a treaty. In 2006, 153 countries voted to start the process. Last year, nearly 100 countries submitted their views on a possible legal instrument.
武器貿易条約の形成に向けた努力を国連に促した国と市民グループは、最終的に条約が成立すると信じている。2006年には、153カ国の賛成で、武器貿易条約の形成に向けた交渉の開始を求める国連総会決議が採択された。昨年は100カ国近くが、武器貿易条約に規定される可能な法文書についての見解を提出している。

British Prime Minister Gordon Brown, whose country is seen as a leader of the ATT process, said in a Jan. 21 speech in India that “[b]ecause the threat and proliferation of weapons of mass destruction is now compounded by the continuing proliferation of conventional weapons, and we know that one person is killed every minute from small arms, Britain will also work internationally to achieve a global arms trade treaty.”
武器貿易条約交渉の牽引役を担っている英国のゴードン・ブラウン首相は1月21日、インドで演説し、「大量破壊兵器の拡散による脅威は今や、通常兵器の拡散と相まって、度合いを強めている。小型武器によって、1分ごとに人が殺されていることは周知の事実だ。英国は、グローバルな枠組みとしての武器貿易条約の成立に向けて、国際的に働き掛けていく」と述べた。

In 2006, the United States voted against beginning the treaty process, contending that that the effort would be time-consuming and that any eventual treaty would contain standards weaker than existing U.S. rules. Nonetheless, U.S. nongovernmental groups urged the Bush administration to participate in part because the United States is the largest arms supplier in the world. The U.S. decision to attend came at the last minute, with Ambassador Don Mahley arriving to represent the United States at the meeting on its second day.
米国は、武器貿易条約の交渉を開始するよう求めた2006年の国連総会決議に反対票を投じた。条約が最終的にどうあれ、武器取引をめぐる米国の既存のルールよりも脆弱な基準となることが想定されるため、条約交渉は時間の無駄であるというのが理由である。一方で、米国の非政府組織はブッシュ政権に対し、世界最大の武器供給国である米国は、部分的にでも交渉に参加すべきであると説得した。米国は土壇場で交渉への参加を決め、専門家会議の2日目から、ドナルド・マーレイ軍縮担当大使を出席させた。

Participants in the meeting said that a number of countries expressed skepticism about the ATT concept, including China, Cuba, India, Pakistan, Russia, and the United States. Given that whatever recommendations emerge will need to be agreed to by consensus, they speculate that a final report would likely include a list of pros and cons on the treaty concept.
会議の参加者によると、中国やキューバ、インド、パキスタン、ロシア、米国などは、武器貿易条約の構想に対して懐疑的な見解を表明していたという。どのような内容の勧告が提案されたとしても、コンセンサスによる合意が必要であることを考えると、会議の最終報告は、条約の構想をめぐる賛否双方の意見を羅列したようなものになるのではないかと推測されている。

The experts group is chaired by Ambassador Roberto García Moritán of Argentina. In 2006, Moritán chaired a similar experts group on the UN Register of Conventional Arms, which recommended improvements to the reporting mechanism, including a standardized form for small arms. The register provides a process through which countries voluntarily report annually on certain conventional arms exports and imports. (See ACT, September and November 2007.)
専門家会議の議長は、アルゼンチンのロベルト・ガルシア・モルタン大使が務めている。モルタン大使は、標準型の小型武器も報告の対象範囲に含める制度の改善を勧告した国連軍備登録制度の専門家会議でも、議長も務めている。国連加盟国は任意で特定の小型武器の輸出入についても年ごとに報告し、登録が行われるようになった(2007年9月のアームズ・コントロール・トゥデイ誌参照)。

Experts representing Algeria, Argentina, Australia, Brazil, China, Colombia, Costa Rica, Cuba, Egypt, Finland, France, Germany, India, Indonesia, Italy, Japan, Kenya, Mexico, Nigeria, Pakistan, Romania, Russia, South Africa, Spain, Switzerland, Ukraine, the United Kingdom, and the United States participated in the February meeting. They will meet again May 12-16 and July 28-Aug. 8, with recommendations expected later this year after the final meeting..
2月の専門家会議に出席した国は以下の通りである。

アルジェリア、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、コロンビア、コスタリカ、キューバ、エジプト、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、ケニヤ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、スペイン、スイス、ウクライナ、英国、米国

これらの国は、5月12-16日と7月28日-8月8日に改めて開催される専門家会議にも出席する。会議終了後、勧告を年内にまとめ、提出する予定だ。

2008年4月16日水曜日

イラクがセルビアと不正な武器取引を実施か?

Defence News(http://www.defensenews.com/)による
ニューヨークタイムズ紙に掲載された記事の要約です。

Iraq Made Secret Weapons Deal With Serbia: Report
イラクがセルビアと秘密裏に武器取引:ニューヨークタイムズ紙が報道


By AGENCE FRANCE-PRESSE
Published: 13 Apr 10:50 EDT (06:50 GMT)

WASHINGTON - The Iraqi government which receives generous U.S. military aid has secretly negotiated an $833 million arms deal with Serbia in an apparent bid to circumvent anti-corruption provisions that accompany such deals with the United States, The New York Times reported on its website April 12.
米国から惜しみない軍事支援を受けているイラク政府が、8億3300万ドルに相当する武器取引をめぐり、秘密裏にセルビアと交渉していた。米国とそうした取引をする場合に守らなければならない汚職防止のための規定を回避しようという意図は明確であるという。12日付のニューヨークタイムズ紙が報じた。

The newspaper said the deal was struck in September by a delegation of 22 high-ranking Iraqi officials without the knowledge of U.S. commanders in the country.
ニューヨークタイムズ紙によると、22人のイラク政府高官で構成される代表団が、昨年9月に取引を成立させたという。イラクに駐留する米軍司令官は関知していない。

The deal, largely negotiated by Defense Minister Abdul Qadir and Planning Minister Ali Glahil Baban, called for the purchase of a large number of helicopters, planes, armored personnel carriers, mortar systems, machine guns, body armor, military uniforms and other equipment, according to the report.
取引はイラクのアブドル・カディル防衛相とアリ・グラヒリ・ババン計画担当相の交渉によるもので、大量のヘリコプターや航空機、装甲兵員輸送車、迫撃砲、マシンガン、防弾チョッキ、軍服などの装備の購入を申し出ていたと、ニューヨークタイムズ紙は報じる。

Critics say the deal was designed to circumvent anti-corruption safeguards that automatically kick in when arms purchases are made in the United States.
セルビアとの取引には、米国製の武器を購入する際の条件となる汚職防止のための保障措置を回避する目的があるとの批判がある。

At Qadir's urging, the Iraqi government abolished the national contracts committee, a mandatory review agency for all government purchases of more than $50 million, the paper noted.
ニューヨークタイムズ紙は、カディル防衛相が、イラク政府に対して、5000万ドル以上買い入れした全ての政府機関に対して、強制的に査察できる権限を持つ国家契約委員会の廃止を主張していることに注目している。

Prime Minister Nuri al-Maliki also overrode the nation's Supreme Economic Committee after it expressed concerns that the Serbian deal lacked guarantees of service from the Serbian government, The Times pointed out.
また、ノウリ・アル・マリキ首相も、セルビアとの取引にはセルビア政府からの保証がないとの懸念を表明した国家最高経済委員会の意見を無効にしたと、ニューヨークタイムズ紙は指摘する。

"It struck me as bizarre," the paper quotes an unnamed Western official as saying. "You can only explain it in two ways: a desire to avoid oversight and a desire to offer opportunities for graft and corruption."
「おかしなことではないか」と、ニューヨークタイムズ紙は匿名の西欧の政府関係者の言葉を引用する。「セルビアとの取引については、二つの意図があるとしか説明できない。監視を避けたいという意図か、汚職と収賄を可能にする道を開きたいという意図の二つだ」。

食糧危機に対するニューディール

米国のサブプライムに端を発した世界的な金融市場危機に
負けず劣らず深刻な問題として認識されているのが
貧しい国々で見られる食糧価格の急激な高騰。

世銀とIMFがこの問題に対する警告を発しており
食糧価格の急激な高騰がもたらす危機を克服するための
「ニューディール」を実施する必要があるのだという。

ニューディールは、世界恐慌の影響を縮減するため
当時のフランクリン・ルーズベルト米大統領が実施した経済政策。

米国は伝統的に、古典的自由主義の考え方の下
経済政策を実施してきた。
つまり、市場への政府の不介入であり、介入する場合は
最低限にとどめるという小さな国家路線だ。

一方、ニューディールは、政府の経済活動への介入の必要性を認識したもので
社会民主主義的な政策へと米国がはじめて舵を取ったことを意味している。

食糧価格の高騰という問題に対して
今、国際社会はどのように介入していこうとしているのか?

BBCの報道より。

World Bank echoes food cost alarm
世界銀行が食糧価格の高騰に警鐘を鳴らす


Story from BBC NEWS
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/business/7344892.stm
Published: 2008/04/13 22:39:44 GMT
© BBC MMVIII

The rapid rise in food prices could push 100m people in poor countries deeper into poverty, the head of the World Bank, Robert Zoellick, has said.
世界銀行のロバート・ぜーリック総裁は、食糧価格の急激な高騰で、貧しい国で暮らす1億人の人々が貧困にあえぐことになるだろうと警告する。


His warning follows that from the leader of the International Monetary Fund, who said hundreds of thousands of people are at risk of starvation.
ぜーリック総裁の警告は、数十万にもの人々が飢餓に瀕しているとする国際通貨基金の報告に沿ったものだ。

Mr Zoellick proposed an action plan to boost long-run agricultural production.
ぜーリック総裁は、農業生産量を長期的に高めていくための行動計画を提案した。

There have been food riots recently in a number of countries, including Haiti, the Philippines and Egypt.
最近では食糧価格の高騰に反対する暴動が、ハイチやフィリピン、エジプトなどの国々で起きている。

"Based on a rough analysis, we estimate that a doubling of food prices over the last three years could potentially push 100 million people in low-income countries deeper into poverty," Mr Zoellick said.
ぜーリック総裁は「おおよその予測ではあるが、ここ3年間における食糧価格の倍増により、将来的に低所得国で暮らす1億人の人々が、貧困に追い込まれる恐れがある」と述べた。

His proposal for a "new deal" to tackle the international food crisis was endorsed by the World Bank's steering committee of finance and development ministers at a meeting in Washington.
このぜーリック総裁提案の国際的な食糧危機に対する「ニューディール」は、ワシントンで開かれた世界銀行の財政運営委員会と開発担当関係者の会議で承認された。

The World Bank and its sister organisation, the IMF have held a weekend of meetings that addressed rising food and energy prices as well as the credit crisis upsetting global financial markets.
世界銀行とその姉妹組織である国際通貨基金は週末に合同開発会議を開き、金融市場を揺るがす危機と同様に、食糧・エネルギー価格の高騰についても話し合った。

Spiralling inflation
インフレ・スパイラル


Food prices have risen sharply in recent months, driven by increased demand, poor weather in some countries that has ruined crops and an increase in the use of land to grow crops for transport fuels.
ここ数カ月、食糧価格は急激に高騰している。需要の増加に加え、悪天候のための農作物の不作、農作物を育てるための土地の燃料輸送経路としての活用などが原因であるといわれている。

GLOBAL FOOD PRICE RISES
世界的な食糧価格の高騰危機


Wheat: 130%
Soya: 87%
Rice: 74%
Corn: 31%


Time: Year to March 2008

Source: Bloomberg

The price of staple crops such as wheat, rice and corn have all risen, leading to an increase in overall food prices of 83% in the last three years, the World Bank has said.
小麦や米、トウモロコシといった主要作物の価格はすべて高騰している。世界銀行はこれらの作物の価格高騰の結果、ここ3年間で食糧価格が総体で83%高騰することとなったと分析している。

The sharp rises have led to protests and unrest in many countries, including Egypt, Ivory Coast, Ethiopia, the Philippines and Indonesia.
食糧価格の急激な高騰が引き金となり、エジプトやコートジボワール、エチオピア、フィリピン、インドネシアを含む多くの国で、抗議活動や争乱を巻き起こしている。

In Haiti, protests last week turned violent, leading to the deaths of five people and the fall of the government.
ハイチでは、先週の抗議活動に暴動に発展し、5人の死者を出したことに加え、政府の瓦解までに至った。

In the capital, Port-au-Prince, a UN peacekeeper from Nigeria was fatally shot on Saturday.
土曜日にはハイチの首都、ポルトープランスで、ナイジェリア人で構成されている国連平和維持部隊が襲撃に遭った。

'Hungry mouths'
「飢餓で苦しむ人たちのために行動で証明」


Restrictions on rice exports have been put in place in major producing countries such as India, China, Vietnam and Egypt.
米の主要な生産地であるインドや中国、ベトナム、エジプトなどの国々は、米の輸出を規制している。

Importers such as Bangladesh, the Philippines and Afghanistan have been hit hard.
輸入国であるバングラデシュやフィリピン、アフガニスタンのような国々は大きな痛手を被る結果となった。

"We have to put out money where our mouth is now so that we can put food into hungry mouths," Mr Zoellick said. "It's as stark as that."
ぜーリック総裁は「とても困難なことではあるが、飢餓で苦しむ人たちに食糧が行き渡るよう、我々は行動で証明しなければならない」と述べた。

He called for more aid to provide food to needy people in poor countries and help for small farmers. He said the World Bank was working to provide money for seeds for planting in the new season.
ぜーリック総裁は、貧しい国で暮らす貧窮した人たちへの食糧の供給支援と小規模農家への支援の更なる実施を要請した。また、ぜーリック総裁は、世界銀行が新たな季節に種子を植えるための資金提供をしていることについても言及した。

He also urged wealthy donor countries to quickly fill the World Food Programme's estimated $500m (£250m) funding shortfall.
さらにゼーリック総裁は、先進国の援助供与国に対して、世界食糧計画のために必要な5億ドル(2億5千万ポンド)の不足分を早急に補填するよう求めた。

Mr Zoellick's "New Deal for Global Food Policy" also seeks to boost agricultural policy in poor countries in the longer-term.
ぜーリック総裁提案の「グローバルな食糧危機に対するニューディール」は、貧しい国の農業政策のための長期的な支援策も視野に入れている。

On Saturday, the head of the IMF, Dominique Strauss-Kahn, warned of mass starvation and other dire consequences if food prices continue to rise sharply.
土曜日には、国際通貨基金のストラス・カーン専務理事が、急激な食糧価格の高騰が続いた場合、飢餓の大量発生をはじめとした恐ろしい事態を招くことになると警告した。

"As we know, learning from the past, those kind of questions sometimes end in war," he said.
カーン専務理事はまた、「歴史が証明しているように、この種の問題を契機に戦争へと突入していったことがあることを我々は知っている」とも述べた。

He said the problem could lead to trade imbalances that may eventually affect developed nations, "so it is not only a humanitarian question".
さらにカーン専務理事は、食糧価格の高騰は貿易不均衡をもたらし、最終的には先進国にも影響が及ぶことを指摘し、「だからこそ、単に人道的な問題というだけではないのだ」と語った。

2008年4月14日月曜日

英国での武器取引をめぐるスキャンダル

欧州最大かつ世界有数の防衛航空宇宙企業である
英国のBAEシステムズ。

BAEシステムズの2006年度の総売上は270億米ドル。
そのうちの9割以上を軍需部門売上だけで占め、その額は250億米ドルに至る。
これは、米ロッキード・マーティン社、米ボーイング社に次いで
防衛産業世界売上で世界第3位となる額である。

そのBAEシステムズが絡んだスキャンダルをめぐり
議論が再燃しているようだ。

BBCの報道より。

Brown urged to reopen arms probe
ブラウン首相、武器取引の調査再開を迫られる


Story from BBC NEWS
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/business/7341925.stm
Published: 2008/04/11 04:23:09 GMT
© BBC MMVIII

Gordon Brown is coming under pressure to reopen the Serious Fraud Office inquiry into the multi-billion pound arms deal between BAE and Saudi Arabia.
ゴードン・ブラウン英首相は、BAEシステムズとサウジアラビアとの間で、数十億ポンド規模の武器取引があったことに対する重大不正監視局の調査を再開するよう迫られている。


Liberal Democrat leader Nick Clegg said the investigation, which was suspended in 2006, must be allowed to continue.
自由民主党のニック・クレッグ党首は、2006年に中断した捜査の継続が認められるべきだとの見解を示した。

The High Court ruled that the SFO acted unlawfully by dropping the corruption inquiry into the £43bn deal.
高等法院は、430億ポンド規模の汚職取引に対する調査を重大不正監視局が中断することは違法であるとの判決を下している。

BAE was accused of illegal payments to Saudi officials, but the defence company maintains it acted lawfully.
BAEシステムズはサウジアラビアの政府関係者に不正な支払いをした罪で起訴されている。しかし、BAEシステムズ側は、支払いは合法だったと主張し続けている。

The High Court said the decision to halt the inquiry represented an "abject surrender" to pressure from a foreign government.
高等法院は、調査中止の決定は、外国政府の圧力に対する「卑屈な屈服」を意味すると述べた。

Lord Justice Moses said that the SFO and the government had given into "blatant threats" that Saudi co-operation in the fight against terror would end unless the probe into corruption was halted.
モーゼス控訴院裁判官は、汚職に対する調査を止めなければ、サウジアラビアはテロとの戦いにおける協力を終了するだろうとの「あからさまな脅迫」に、重大不正監視局と英政府は屈してしまったと指摘した。

The legal challenge had been made by Corner House and the Campaign Against Arms Trade (CAAT), who said the SFO decision was influenced by government concerns about trade and diplomatic ties with Saudi Arabia.
異議申し立ては、コーナー・ハウスと反武器取引キャンペーンによって起こされた。両組織は、重大不正監視局の決定はサウジアラビアとの取引や外交的つながりに配慮する政府の働き掛けによるものであると主張している。

The SFO said national security would have been undermined by the inquiry.
重大不正監視局は、調査により国の安全保障が傷付く恐れがあると述べている。

'Independent inquiry'
「独立した調査を」


Following the High Court ruling, Susan Hawley, from The Corner House, said it was a "great day for British justice".
高等法院の判決を受けて、コーナー・ハウスのスーザン・ハウレイ氏は「英国司法にとって偉大なる日」と述べた。

"If he [Gordon Brown] is serious about corruption, then he needs to show that Britain really means business and they are not going to pick and choose which cases are convenient to them and which aren't," she said.
また、ハウレイ氏は「もしブラウン首相が汚職に対して厳しい姿勢で臨んでいるというのならば、英国は真剣であり、どの事例であれば都合がいいかどうかで選り好みなどしないということを証明してほしい」と訴えた。

"In effect, the government needs to back off and it would be a scandal if they try to intervene again and get this stopped on national security grounds."
さらにハウレイ氏は「実際、政府は手を引くべきだ。もし、国家の安全保障上の観点から再び介入し、調査を中止させるのであれば、それはスキャンダルになり得る」と付け加えた。

Symon Hill, of CAAT, said: "During Tony Blair's time in government, Robin Cook wrote in his diary that the head of BAE had the keys to the garden door at No 10.
反武器取引キャンペーンのサイモン・ヒル氏は「トニー・ブレア前首相のときは、ロビン・クック氏が日記の中で、BAEシステムズのトップが、首相官邸の扉を開ける鍵を握っていると書いていた」と指摘する。

"If Gordon Brown wants to show that things have moved on since those days, he needs to get the locks changed."
その上で、ヒル氏は「もし、ブラウン首相が、それから事態は進展したと言うのならば、首相官邸の扉の鍵を掛け替えた方がよい」と述べた。

Mr Clegg told BBC Two's Newsnight programme that key questions still needed to be answered.
自由民主党のクレッグ党首は、BBC Twoの夜のニュース番組で、まだ重要な質問に答えてもらっていないと語った。

"The fraud office needs to now proceed with the original investigation which was suspended," he said.
クレッグ党首によると、「重大不正監視局は、中断していたもともとの調査を今、再開する必要がある」と訴える。

"Second, I think we do want an independent inquiry into the way in which political pressure, inappropriately in my view, was brought to bear on the director of the Serious Fraud Office."
また、クレッグ党首は「重大不正監視局の局長に、私が思うに、不適切にかけられていた政治的圧力に対しても、独立した調査を求めていきたいと考えている」と述べた。

BBC News political correspondent James Hardy said there was no word yet on how Mr Brown would react, but it remained possible that the High Court would tell the SFO to reactivate the inquiry.
BBCのジェームス・ハーディ政治部記者によると、ブラウン首相がどう対応するのかについては、まだ何も語られていないが、高等法院が重大不正監視局に再調査を命じる可能性はあるという。

Downing Street said in a statement: "The SFO are carefully considering the implications of the judgement and the way forward."
首相官邸は声明を発表し、「重大不正監視局は判決の意味と進むべき道を慎重に考慮している」という。

'Serious damage'
「深刻な被害」


The SFO's inquiry was into the al-Yamamah deal with Saudi Arabia, which was first signed in 1985 but ran into the 1990s.
重大不正監視局の調査はサウジアラビアと取引をしているアル・ヤマアに対して行われた。取引の契約は1985年に成立しているが、取引が始まったのは1990年代に入ってからだ。

Under the agreement, BAE sold Saudi Arabia Tornado and Hawk jets and other assorted weapons. The deal also included long-running maintenance and training contracts.
契約の下、BAEシステムズはサウジアラビアにトーネイド戦闘機やホークジェット機などの兵器を売っていた。契約には長期のメンテナンスや研修も含まれている。

In December 2006, the then-Attorney General, Lord Goldsmith, announced that the SFO was suspending its inquiry.
当時法務長官だったゴールドスミス卿は2006年12月、重大不正監視局の調査の中止を宣言した。

Lord Goldsmith said its continuation would have caused "serious damage" to UK-Saudi relations and, in turn, threatened national security.
ゴールドスミス卿は、調査を継続した場合、英国とサウジアラビアとの関係は「著しく傷つけられ」、翻って、英国の安全保障が脅かされることになるとの見解を示していた。

Saudi Arabia is also reported to have threatened to cancel last year's £20bn deal to buy 72 Eurofighter Typhoon jets from BAE Systems.
BAEシステムズから72機のユーロファイター・タイフーン戦闘機を購入するための、200億ポンドに相当する昨年の取引がキャンセルになる恐れがあると、サウジアラビアに報告されているともいう。

2008年4月10日木曜日

ダライ・ラマ14世は今、何を思っているのか?

今日は、ダライ・ラマ14世が日本で記者会見を開くなど
チベット問題が国際的な注目を集めています。

エディは、ダライ・ラマによる抵抗が
宗教者としてあるべき、節度あるものなので
好印象を持っています。

一方で、ダライ・ラマは西欧諸国に働き掛けることで
チベット問題をめぐり中国に外圧をかけるという
手法を取り続けていましたが
ダライ・ラマがこうした手法を取り続けても
中国から引き出せる妥協は
何もないというころまで来ているとの指摘もあります。

手詰まり感のあるダライ・ラマにチベット現地は業を煮やし
穏健策よりも、暴動の方が実効的だと
考えているチベット人もいるのではないかという印象です。

ニューズウィーク誌がダライ・ラマにタイムリーな独占インタビューを
行っていますので、紹介してみます。

訳してみて…、ダライ・ラマと中国の対話が実現してほしいと切に思いました。
中国共産党の価値観が極めて俗物的なので
ダライ・ラマと理念を共有するのは、なかなか難しいことだとは思いますが。
もしダライ・ラマと理念が共有できれば
事態は必ず好転すると思います。

Fears and Tears
不安と悲嘆


In an exclusive interview, the Dalai Lama talks to NEWSWEEK about the violence in Tibet, his vision of the future—and how he manages to sleep in spite of his distress over the killings.
ニューズウィーク誌がダライ・ラマ氏に独占インタビュー。チベットでの暴動、将来の展望、チベットの人民が殺害されていることに対して苦悩しながらも、いかにして睡眠を確保しているのかなどに至るまで語ってもらった。


Melinda Liu and Sudip Mazumdar
Newsweek Web Exclusive
Updated: 1:18 PM ET Mar 20, 2008

URL: http://www.newsweek.com/id/124365
© 2008

As news spread of massive Chinese troop movements into Tibet, and of hundreds of arrests, Chinese Premier Wen Jiabao told British Prime Minister Gordon Brown he was willing to talk with the exiled Tibetan leader the Dalai Lama if he renounced violence and gave up the idea of an independent Tibet—conditions the Dalai Lama has met with past statements. During an exclusive, wide-ranging 45-minute interview with NEWSWEEK's Melinda Liu and Sudip Mazumdar at the headquarters of the Tibetan government-in-exile in Dharamsala, India, the Dalai Lama talked about his willingness to negotiate with Beijing, his fears for the future, and how some government officials in China have sent him private messages of sympathy. Excerpts:

中国軍の部隊が大量にチベットに移動したり、何百人ものチベット人が逮捕されたりしている様子がニュースで流れた。温家宝首相はゴードン・ブラウン英首相と対談し、チベット亡命政府の指導者、ダライ・ラマ氏と対話する意思があることを表明した。ただし、温家宝首相は、ダライ・ラマ氏が、暴力行為とチベットの独立構想を放棄しなければ、対話には応じないとも述べた――暴力行為と独立構想の放棄については、いずれもすでにダライ・ラマ氏が過去の声明の中で言及していることである。ニューズウィーク誌のメリンダ・リウとスディップ・マズマダルの両記者が、インド北部のダルムサーラにあるチベット亡命政府の本部でダライ・ラマ氏に45分に及ぶ独占インタビューを行った。インタビューに応じてくれたダライ・ラマ氏は、中国政府との交渉の意思や将来への不安をはじめ、中国の政府関係者の中には、ダライ・ラマ氏に共感する内容の私的メッセージを送ってくれている者もいることなどについて語ってくれた。

NEWSWEEK: Do you think Chinese officials still hope their problems in Tibet will disappear after you pass away?
ニューズウィーク誌:中国政府は依然、あなたがいなくなれば、チベットでの懸案はなくなると考えていると思いますか?

The Dalai Lama: I don't know. I totally disagree with the view that the Tibet struggle will die, and there will be no hope for Tibet, after the Dalai Lama passes away. Both inside and outside [Tibet], the older generation may go away, but the newer generations carry the same spirit. Sometimes it's even stronger. So after my death a younger generation will come up.
ダライ・ラマ:分からない。チベットから闘争が消えてなくなるという考え方にはまったく賛同できない。それに、私が死ねばチベットに希望はない。チベットの内外ともに、古い世代の者たちはいなくなってきているだろう。しかし、新しい世代は(古い世代と)同じ精神を引き継いでいる。しかも、新しい世代が引き継いだ精神は、ときに古い世代よりも強いことさえある。だからこそ、私が死ねば、若い世代はきっと立ち上がるだろう。

If Wen Jiabao or [China's President] Hu Jintao were sitting in this room in front of you, what would say to them?
ニューズウィーク誌:もし温家宝首相、あるいは胡錦涛・国家主席があなたの目の前に座っていたら、何と言って聞かせますか?

I always like to quote Deng Xiaoping and say, Please seek truth from facts. It is very important. I would urge them to find out what is really going on in Tibetan minds and what is happening on the ground. This I want to tell the prime minister, Wen Jiabao, if he were to come here. Of course, I have great respect for both, particularly Wen Jiabao. He seems very gentle. I would also ask him, "Please prove your recent accusations [that the Dalai Lama instigated the unrest in Tibet.]" [Laughs]
ダライ・ラマ:私は常々、鄧小平の言葉を借りて、こう言いたいと思っている。「事実から真実を探求せよ」と。これはとても重要なことだ。チベット人の心の中で実際に何が起こっているのか。そして、チベットの地で何が起きているのか。お二方に分かっていただけるよう説得したいと思っている。もし、温家宝首相がここに来られることがあるのならば、このことを言いたい。もちろん、私はお二方、特に温家宝首相を大いに尊敬しております。彼はとても紳士的に見えますし。温家宝首相にはこのことも聞いてみたい。「(ダライ・ラマがチベットでの暴動を煽っていると)最近あなたは告発していたようですが、その罪状を立証してみてください」と(笑)。

Do you have back channels of communication to the Chinese leadership?
ニューズウィーク誌:あなたには中国の指導者層と意思疎通を図るための裏経路があるのではないでしょうか?

Not serious [ones]. The usual channels are still there.
ダライ・ラマ:そんな特殊なものはありません。通常の意思疎通経路なら今でもありますよ。

Do new technologies—cell phones, digital photography, e-mail and so on—make it harder for authorities to control the unrest?
ニューズウィーク誌:携帯電話やデジタル画像、eメールなどの新しい技術が、中国当局による暴動の取り締まりを困難にさせているのではないでしょうか?

Oh, yes.
ダライ・ラマ:そう思います。

Do they make it impossible?
ニューズウィーク誌:それらの技術が、暴動の取り締まりを不可能にさせていると?

Now authorities are trying to control [things] by shutting down these services. But it is very difficult to control everything.
ダライ・ラマ:現在、中国当局はそうした新しい技術を提供するサービスを閉鎖するなどして規制しようとしています。が、すべてを規制するのは極めて難しいことでしょう。

What's the difference between what's happening now and the turmoil of the late '80s in Lhasa?
ニューズウィーク誌:1980年代後半にチベットの首都ラーサで起きた争乱と現在の暴動の違いは何なのでしょうか?

At that time it was mainly in Lhasa areas. And, yes, it is a factor that images can be seen elsewhere. But it is mainly the [extent of Tibetan] grievances. Today even Tibetan monks in Chinese areas carry Tibetan flags. I am quite surprised [by the prevalence of Tibetan dissatisfaction in areas far from Lhasa]. Now the entire Tibetan people have strong feelings. If [Chinese authorities] truly treated the Tibetans as brothers and sisters and as equals, giving them trust, then this would not happen.
ダライ・ラマ:当時、抗議運動は主にラーサで展開されていました。イメージとしては、抗議運動が他の場所でも行われているように見えたでしょうが、チベット人の抗議運動の広がりには限界がありました。しかし今日では、中国側の地域で暮らすチベット僧ですら、チベットの旗を掲げています。ラーサからはるか遠く離れた場所で、チベットの抗議運動の広がりが見られることは非常に驚くべき事態です。今では、すべてのチベット人が強い反感を持っています。もし中国当局がチベット人を兄弟・姉妹として平等に扱い、チベット人からの信頼を勝ち得ているなら、暴動は起きません。

Even privileged Tibetans who are in elite minority universities in Chinese cities such as Beijing and Lanzhou have organized vigils and peaceful protests. Why?
ニューズウィーク誌: 北京や蘭州のような中国の都市にある少数派のエリートが通う大学に在籍する、特権を認められたチベット人でさえ、デモを組織し、平和的な抗議運動を展開しています。なぜでしょうか?

Yes, yes—if they're not satisfied you can imagine how nomads feel. I occasionally meet affluent Tibetans who are economically sound, who have good housing. I met one such person who first told me he had no worries. Then he confessed [he felt] mental anguish, and then he began to cry. As Tibetans they feel some kind of subtle discrimination by the Chinese.
ダライ・ラマ:あなた方が想像するほど、彼らは満足していないということですよ。私は、経済的に恵まれ、立派な家を持つ、お金持ちのチベット人ともよく会います。私は以前、心配事は何もないと最初は語っていた、あるチベット人と会いました。しばらくすると、彼は精神的な苦悩を告白し始め、ついには泣き始めたのです。チベット人である彼らは、中国人によるある種の巧妙な差別を感じ取っているのです。

Are you worried about the possibility of greater violence after you pass away?
ニューズウィーク誌:あなたの死後、大規模な暴動が起きるのではないかと心配ではありませんか?

Yes, I worry about that. As long as I am alive, I am fully committed to amity between Tibetans and Chinese. Otherwise there's no use. More importantly, the Tibetan Buddhist cultural heritage can eventually help bring some deeper values to the millions of Chinese youth who are lost in a [moral] vacuum. After all, China is traditionally a Buddhist country.
ダライ・ラマ:はい。心配しています。私は一生、チベット人と中国人の友好に、この身を全て捧げていく。それ以外は、無駄な努力でしかない。より重要なこととして、チベット仏教の文化的遺産は、最終的に、道義的空白状態にある中国人の若者たちに、より深い価値観をもたらす一助になり得るということがあります。結局、中国は伝統的に、仏教徒の国なのです。

What more do you think the Chinese leadership wants you to do to prove your sincerity? Wen Jiabao wants you to accept two conditions—that you renounce Tibet's independence and renounce violence—before dialogue can take place.
ニューズウィーク誌:中国の指導者層があなたにもっと誠意を見せてほしいと言っていることについて、もっと何か考えていることはあるでしょうか?温家宝首相は、対話の前提条件として、あなたにチベットの独立と暴力行為を放棄するよう求めていますが。

Last year in Washington we had a meeting with some Chinese scholars, including some from mainland China, who asked me, "What guarantee is there that Tibet will not be separate from China ever [in the future]?" I told them that my statements won't help, my signature won't help. The real guarantee is that the Tibetan people should be satisfied. Eventually they should feel they would get greater benefit if they remain with China. Once that feeling develops, that will be the real guarantee that Tibet will forever remain part of the People's Republic of China.
ダライ・ラマ:私は、昨年、中国人の学者と一緒にワシントンで会議を開きました。中には、中国本土から来た者もいました。中国人の学者たちは、私に、「(将来的に)チベットが中国から分離しないという保証は何なのか」と尋ねてきた。私は、私の声明や署名は保証にならないだろうと彼らに答えた。真の保証とは、チベット人が満足することだからです。結局、チベットが中国とともにあり続けるというのなら、そこからチベット人が大きな恩恵を受けているという実感を得られなければならない。そうした実感が得られるのなら、それこそまさしく、チベットが永遠に中国の一部としてあり続ける保証となるでしょう。

The Chinese government wants me to say that for many centuries Tibet has been part of China. Even if I make that statement, many people would just laugh. And my statement will not change past history. History is history.
ダライ・ラマ:中国政府は私に、もう何世紀も前から、チベットは中国の一部だったと言ってほしいと思っている。たとえ私がそうした声明を出したとしても、多くの人は一笑に付すだけだろう。だから、私の声明では過去の歴史は変えられないのです。歴史は歴史です。

So my approach is, don't talk about the past. The past is past, irrespective of whether Tibet was a part of China or not. We are looking to the future. I truly believe that a new reality has emerged. The times are different. Today different ethnic groups and different nations come together due to common sense. Look at the European Union … really great. What is the use of small, small nations fighting each other? Today it's much better for Tibetans to join [China]. That is my firm belief.
ダライ・ラマ:だから、私の提案はこうです。過去の話はするな。チベットが中国の一部であろうがなかろうが関係ない。過去は過去なのです。私たちは未来に目を向けています。私は、新たな現実が現れていると確信しているのです。時代は異なります。今日では異なる人種や民族が、共通の意識の下、手を取り合っているではないですか。EUをご覧なさい。本当に素晴らしい。手を取り合っているそれぞれの小さな民族が、お互いに喧嘩したりしていないでしょう。こういう時代なのだから、チベット人も中国人と手を取り合っていくことが、はるかに大切です。これが私の強い信念なのです。

You've said that two government officials sent private messages of support to you. Is there a significant number of officials in Tibet or other areas of mainland China who have shown sympathy to you in private?
ニューズウィーク誌:あなたは、二人の中国政府関係者から、あなたを支持するとの内容の私的なメッセージをもらったと仰っていましたね。チベットや中国の他の地域でも、あなたに共感している中国政府関係者は、かなりの数に及ぶと考えてよいのでしょうか?

Yes.
ダライ・ラマ:そうです。

How many?
ニューズウィーク誌:実際、何人いるのですか?

I am not sure, but many ordinary Chinese, thousands, have come here. And several senior officials have sent messages. I feel very strongly that there will be a change [in the attitude of the Chinese leadership]. Now the important thing is the Chinese public should get to know the reality. They should have more information about Tibet.
ダライ・ラマ:数は分かりませんが、たくさんの中国の一般民衆、それこそ何千人という人たちが、ここにやって来てくれました。何人かの中国の政府高官も、私にメッセージを送ってくれています。中国の指導者層の態度に変化が現れていると強く感じます。今や、中国政府が現実を知ることが重要になっています。そして、チベットについての情報ももっと得てほしい。

Will that be difficult? The Internet is heavily censored inside China. As a result, people tend to develop very polarized, often very nationalistic views.
ニューズウィーク誌:それは難しいことではないでしょうか?中国はインターネット上の情報を厳しく監視しています。結果的に、中国人は非常に偏った、ときに極めてナショナリスティックな考え方を持つ傾向にあります。

Yes, yes. You know, till 1959 the Tibetan attitude toward the Han Chinese was affectionate, very close, something normal. Chinese traders in Lhasa used to be referred to with affectionate respect. But, of course, the name of communism is feared in Tibet because of what happened in Mongolia, and to part of the Buddhist community in the Soviet Union. Then the Chinese communists entrenched themselves; more soldiers came and their attitude became more aggressive, more harsh. Even at that time we complained about these "bad communists," but we never said "bad Chinese." Never.
ダライ・ラマ:その通りだ。ご存じかもしれませんが、1959年まで、チベット人は漢民族に対して、親しみにあふれた、とても親密な態度で接していた。正常な関係にあったのです。ラーサで働く中国人商人についても、親しみと敬意の念とともに語られていました。ところが、共産主義の台頭がチベットを震え上がらせた。モンゴルやソ連の仏教徒のコミュニティに対して起きた出来事がありましたから。やがて、中国の共産主義者たちが自分たちを守ることに必死になり始めた。兵士がたくさんやって来るようになるにつれ、彼らの態度も攻撃的に、激しくなっていったのです。当時、私たちは「悪い共産主義者たち」を糾弾しました。しかし、「悪い中国人」と言った覚えはありません。断じてない。

During the last 20 years I have met a lot of Tibetans from Tibet—students, government officials and businessmen. They express great dissatisfaction. Now some of them refer to Chinese people in a derogatory manner. Even in prison there is a division between Chinese and Tibetan inmates. This I think is very bad. This must change. Not through harsh [measures]—that would just harden the stands—but by developing trust. I think real autonomy can restore that trust. As far I am concerned, I'm totally dedicated toward this goal. It is not just politics. My aim is to create a happy society with genuine friendship. Friendship between Tibetan and Chinese peoples is very essential.
ダライ・ラマ:ここ20年の間、私はたくさんのチベットの人たちと会ってきた。学生や行政官、ビジネスマンなど、様々なチベットの人たちとです。彼らは深く失望していた。中国人のチベットを見下した態度を指摘する人もいます。監獄の中でさえ、中国人の囚人とチベット人の囚人の間には、差別があるのです。これは、私はとてもよくないことだと思う。変えなければいけないことだ。お互いの態度を硬化させてしまうような激しい手段ではなく、お互いの信頼関係を発展させていくやり方で、変化を起こすのです。私は、真の自治とは、信頼を回復することだと思っています。このために私の身を全て捧げていきたい。政治のためだけじゃないのです。私が目指しているのは、本当の友情に支えられた幸福な社会を築いていくことなのです。チベットと中国の人たちの友情こそが重要なのです。

Some images of the recent casualties have been graphic and disturbing. Have you seen them? What was your reaction? We heard you wept.
ニューズウィーク誌:最近目にする犠牲者たちの姿は生々しく、不安になります。あなたは、犠牲者の姿を見たことがあるでしょうか。あなたはどう対応しますか。あなたが嘆き悲しんでいるとも聞きます。

Yes, I cried once. One advantage of belonging to the Tibetan Buddhist culture is that at the intellectual level there is a lot of turmoil, a lot of anxiety and worries, but at the deeper, emotional level there is calm. Every night in my Buddhist practice I give and take. I take in Chinese suspicion. I give back trust and compassion. I take their negative feeling and give them positive feeling. I do that every day. This practice helps tremendously in keeping the emotional level stable and steady. So during the last few days, despite a lot of worries and anxiety, there is no disturbance in my sleep. [Laughs]
ダライ・ラマ:はい。前は泣いていましたよ。けれど、チベット仏教の文化のよいところは、その知的平静さにあります。たくさんの混乱や不安、心配に直面したとしても、感情の奥底では平静でいられるのです。仏教徒として、私は毎晩、相互扶助をどう実践していけばよいのか考えています。私は、中国が私に対して抱いている疑念についても真正面から受け止めます。その上で、信頼と慈悲をお返しするのです。負の感情には正の感情をお返しする。私は毎日そうしています。この実践が、あるおかげで、感情に平静さと落ち着きを保つことができるのです。そうそう、ここ数日も、多くの不安と心配がありましたが、ちゃんと眠れていますよ(笑)。

2008年4月9日水曜日

シーア派の争乱広がる④

サドル氏の停戦宣言が出された直後の報道です。

BBCの特派員によると、依然、解決の糸口は見えないという。
サドル氏が本音は武装解除に乗り気ではないことと
マリキ首相がサドル氏の要請に応じていないことが問題のようだ。

BBCの報道より。

Government to lift Baghdad curfew
イラク政府、バグダッドでの外出禁止令を解除する。


Story from BBC NEWS
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/middle_east/7321921.stm
Published: 2008/03/31 01:30:37 GMT
© BBC MMVIII

The Iraqi government is due to lift a curfew in Baghdad, after Shia cleric Moqtada Sadr ordered his fighters off the streets of Iraqi cities.
イラク政府はバグダッドでの外出禁止令を解除するという。シーア派の宗教指導者、ムクタダ・サドル氏が民兵に戦いの中止を命じたためだ。


The government said the curfew would end at 0600 local time (0300 GMT), but a vehicle ban would remain in three Shia areas of the capital.
イラク政府は現地時間で6時(英国ではGMTで3時)に、外出禁止令を解除すると発表した。ただし、バグダッドの3つのシーア派居住地域では、車両での移動の禁止を継続するという。

Moqtada Sadr on Sunday told his Mehdi Army militias to stop fighting government troops.
日曜日にムクタダ・サドル氏がマハディー民兵団に対し、イラク軍への攻撃を止めるよう呼び掛けた。

The fighting has claimed more than 240 lives across the country since Tuesday.
火曜日から続いた今回の武力衝突で、240人が死亡した。

'Positive' move
「前向きな」動き


Moqtada Sadr's statement said: "Because of the religious responsibility, and to stop Iraqi blood being shed... we call for an end to armed appearances in Basra and all other provinces.
サドル氏は、声明の中で、「宗教的責任を果たすため、そしてイラク人の流血の惨事を止めるため、我々はバスラをはじめとする全ての州で、武装を解除するよう要請する」と言明した。

"Anyone carrying a weapon and targeting government institutions will not be one of us."
「武器を携帯し、政府に攻撃を仕掛ける者は我々の同胞ではない」とも述べている。

The cleric also demanded that the government apply the general amnesty law, release detainees and stop what he called illegal and random raids.
サドル氏はまた、政府に恩赦法の適用を要請し、勾留者の釈放を要求するとともに、サドル氏が言うところの違法で不意な家宅捜査も止めるよう求めた。

He also told his followers to "work with Iraqi government offices to achieve security and to file charges against those who have committed crimes".
さらにサドル氏は、支持者に対して「イラク政府と協力しながら、治安の確保と犯罪者の起訴に取り組んでほしい」と訴えた。

A spokesman for Iraqi Prime Minister Nouri Maliki, Ali al-Dabbagh, told Iraq television the statement was positive.
ノウリ・マリキ首相のスポークスマンであるアリ・アル・ダバグ氏は、イラクテレビに対し、サドル氏の声明は前向きなものだと語り、
"As the government of Iraq we welcome this statement. We believe this will support the government of Iraq's efforts to impose security."
「政府として、サドル氏の声明を歓迎する。我々はこの声明がイラクに治安をもたらすための政府の努力を後押しするものであると信じている」と述べた。

He also warned: "The government will be forced to implement the law against those who do not obey the instructions of the government and of Sadr."
一方、ダバグ氏は「政府とサドル氏の指導に従わない者に対して、政府は、法の執行を持って対処せざるを得ない」とも警告した。

'No resolution'
「解決しない」


However, Hazem al-Araji, an aide to Moqtada Sadr, told reporters that the cleric's appeal to his militias would not mean handing in weapons.
半面、サドル氏の側近であるハゼム・アル・アラジ氏が記者団に語ったところによると、サドル氏の呼び掛けは、マハディー民兵団が武器を放棄するという意味ではないという。

The BBC's Adam Brookes in Baghdad says this means the Mehdi Army will remain intact.
バグダッドで取材を続けるBBCのアダム・ブルークス特派員は、アラジ氏が語っていたことから、マハディー民兵団は無傷のままであることが分かると述べる。

He says that although the move gives Mr Maliki a chance to claim victory, the central demand has not been met and this is not a resolution of the conflict.
ブルークス特派員は、今回のサドル氏の言動でマリキ首相は勝利を宣言できるチャンスを与えてもらっているにも拘わらず、主要な要請には応じていない。これでは争乱は解決しないと解説する。

The prime minister had given militias until 8 April to surrender their weapons in return for cash. マリキ首相は4月8日まで部隊を派遣し、(マハディー民兵団に対して)現金の見返りに武器を引き渡すよう求めているという。

Casualties
犠牲者


The curfew in Baghdad had been extended indefinitely on Saturday evening, after a day of skirmishes between security forces and Shia militiamen in the capital and Basra.
バグダッドとバスラでイラク治安部隊とシーア派民兵との小競り合いがあり、バグダッドでの外出禁止令は土曜日の夕刻まで延長されることとなった。

Coalition forces had become more involved, with US air raids in the two cities in recent days.
多国籍軍も関与の度合いを深めている。ここ最近、二つの町で米軍機による空爆が行われた。

Estimates vary of the number of deaths since the fighting broke out.
武力衝突が起きてからの死者数については、様々憶測されている。

Fighting in Baghdad has left 117 people dead over the past three days, Iraqi police told the BBC.
イラク警察がBBCに語ったところによると、ここ3日間で、バグダッドで起きた武力衝突により死亡した者は117人になるという。

In Basra, the British military has given a death toll of 50 but local medical sources report as many as 290 dead and the Iraqi army has reported killing 120 "enemy" fighters there.
バスラでは、英軍が死者数を50人だと発表している一方で、地元の医療関係者は290人は死亡しているはずと報告している。イラク軍は120人の「敵」を殺害したという。

Scores of people are believed to have been killed in other southern cities, according to Iraqi police or medical reports.
イラク警察と医療関係者の報告によると、他の南部の町でも、多数の死者が出ているという。

At least 77 people were killed in Kut, Nasiriya, Karbala and Hilla.
クト、ナシリヤ、カルバラ、ヒッラなどでは、少なくとも77人が死亡したといわれている。

シーア派の争乱広がる③

サドル氏の停戦宣言により、争乱はすでに収束へと向かっていますが
マリキ首相が主導したバスラでの民兵掃討作戦により広がった
シーア派の争乱についての一連の報道を紹介します。

BBCの報道より。

Iraq MPs plan emergency session
イラク議会が緊急会議招集へ

Story from BBC NEWS
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/middle_east/7317935.stm
Published: 2008/03/28 06:26:05 GMT
© BBC MMVIII

Iraq's parliament is due to hold an emergency session to try to end fighting between Shia militias and Iraqi security forces.
イラク議会は、シーア派民兵とイラク治安部隊との武力衝突を集結させるため、緊急会議を招集するという。

It comes a day after a three-day curfew was imposed in Baghdad following attacks on the city's Green Zone, where the government and embassies are based.
バグダッドに外出禁止令が発令されてから3日後のことだった。イラク政府や各国大使館の建物があるグリーゾーンへの攻撃が相次いだ。

Iraq's army is continuing its offensive in Basra.
イラク軍はバスラで作戦の継続中だ。

More than 130 people have died in the southern city since a clampdown on Shia militias began there on Tuesday.
火曜日にシーア派民兵に対する厳重な取締が開始されてからこれまで、南部で130人以上が死亡している。

On Thursday, Iraqi Prime Minister Nouri Maliki vowed that he would continue the fight against the militias for as long as was necessary.
木曜日にはノウリ・マリキ首相が民兵との戦いは必要な限り継続すると宣言した。

"We have made up our minds to enter this battle and we will continue until the end. No retreat," Mr Maliki said in a speech broadcast on Iraqi state television.
イラク国営テレビの放送で、マリキ首相は「我々はこの戦いへ踏み出すことを決断したのだ。最後まで戦い続ける。退却はしない」と演説した。

The prime minister has personally overseen the operation in Basra, which involves some 30,000 troops and police fighting the Shia Mehdi Army, led by radical cleric Moqtada Sadr.
But Mehdi Army fighters remain in control of some densely-populated areas.
首相自ら個人的に監督しているバスラでの作戦には、総勢約3人のイラク軍と警察が参加し、急進的な宗教指導者、ムクタダ・サドル氏率いるマハディー民兵団と戦っている。しかし、シーア派住民が密集する地域は依然、マハディー民兵団の管轄下にある。

Late on Thursday, Sadr called for a political solution to the crisis.
木曜の夜遅く、サドル氏は武力衝突を収束させるための政治的解決を要請した。

In a statement relayed by his aide Hazem al-Aaraji, he said he wants "everyone to pursue political solutions and peaceful protests and a stop to the shedding of Iraqi blood".
サドル氏の側近であるハゼム・アル・アーラジ氏はサドル氏の説明を代読し、サドル氏が「イラク人の誰もが、政治的解決と平和的抗議、そして流血の惨劇の停止を求めるよう訴えている」と紹介した。

US President George W Bush praised Mr Maliki's decision to order the crackdown, saying "normalcy was returning to Iraq".
ブッシュ米大統領はマリキ首相が取締を実施する決断をしたことについて讃辞の言葉を送り、「イラクが正常さを取り戻している」と述べた。

"As we speak Iraqis are waging a tough battle against militia fighters and criminals in Basra, many of whom have received arms and training and funding from Iran," Mr Bush said in Dayton, Ohio.
ブッシュ大統領はオハイオ州デイトン市で演説し、「イラク国民はバスラで、民兵や犯罪者集団とし烈な戦いを繰り広げている。奴らのほとんどが、イランから武器の供与や訓練、資金援助を受けている者たちだ」と強調した。

Rising violence
増大する暴力行為


He spoke as one of several Americans injured this week in rocket attacks on Baghdad's Green Zone died, amid fresh missiles attacks on the fortified area.
ブッシュ大統領は、今週のグリーンゾーンに向けられたロケット攻撃で負傷した米国人のうちの一人が死亡した今も、グリーンゾーンに対してまた新たなミサイル攻撃が始まっていると説明した。

BASRA KEY FACTS
バスラの概要

Third largest city, population 2.6 million approx
イラクで3番目に大きい都市。約260何人の人口を擁する。
Located on the Shatt al-Arab waterway leading to the Gulf
Region around city has substantial oil resources
バスラ周辺の湾岸地域に通じるシャト・アル・アラブ川沿いに位置する。大量の石油資源がある。
4,000 UK troops based at international airport
バスラ国際空港には英軍基地があり、4000人の英軍兵が駐留している。


US embassy staff in Baghdad have been told not to leave reinforced structures, following the attacks.
相次ぐ攻撃のため、バグダッドにある米大使館のスタッフは、防護区域から外に出てはならないと命じられているという。

The state department has instructed embassy personnel to wear helmets and other protective gear if they leave the building, even if they stay within the Green Zone.
米国務省は大使館要員に対し、たとえグリーゾーン内であっても建物から外に出る場合は、ヘルメットや防護服を着用するよう指導している。

In Basra, a local police chief survived a bomb attack that killed three of his bodyguards.
バスラでは、地元警察の長官が爆弾攻撃の中を生き残った。一方で、彼のボディガードが3人死んでいる。

With many shops and markets shut, residents in the city said they were beginning to run out of food and water.
店や市場の多くが閉鎖されている。バスラの住民は食料や水が尽き始めてきたと語る。

In Baghdad, thousands of Sadr supporters marched to demand Mr Maliki quit over the Basra operation and there was sporadic fighting in Shia areas of the capital.
バグダッドでは、サドル派がデモ行進を行い、マリキ首相にバスラでの作戦を止めるよう要求した。バグダッドのシーア派居住地域では、散発的な武力衝突が起こっている。